<民事再生法>
■ 民事再生法とは
民事再生法は、主として中小企業を対象にした倒産処理手続きのため2000年4月に施行された法律である。それまでわが国の倒産法としては、いわゆる
「倒産五法」として、
「再建型」の会社更生法、和議法、商法上の会社整理、「清算型」の破産法、および商法上の特別清算、で形成されてきた。しかし、この倒産五法による手続きは時間がかかるため、倒産企業の8割以上が法的手続きをとらない
「私的整理(任意整理)」を選択していたのが実態であった。
なお、民事再生法の成立と同時に、従来の再建型手続法である和議法は廃止された。
ここで「再建型」とは文字通り再建を目指す手続きであり、「清算型」とは清算を目的とした手続きのことである。また、裁判上の手続きによらず、債権者及び債務者が任意に協議して債務者の財産関係を処理するのが「私的整理」である。
【倒産処理手続き】
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再建型 |
法的処理 |
会社更正 |
対象は株式会社に限定。経営者は退陣。 |
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民事再生 |
対象は法人・個人を問わない。基本的に経営者の地位は継続。 |
会社整理 |
対象者は株式会社に限定。基本的に経営者が再建に当たる。 |
私的整理 |
− |
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精算型 |
法的処理 |
破産 |
対象は「民事再生」と同様。破産管財人が財産の管理処分権を有する。 |
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特別精算 |
対象は株式会社に限定。基本的に清算人が特別清算事務を執行。 |
私的整理 |
− |
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■ 民事再生法が成立した背景
長引く不況で、中小企業の倒産が増えている。特にここ数年は、金融機関の貸し渋りなどにより企業の倒産件数も急増している。しかし、倒産する前に経営が再建できるような手段があれば、倒産せずに済んだ企業もたくさんあったはずである。このような状況を踏まえて、中小企業の構造転換を促すことを目的として整備されたのが、民事再生法である。
■ 和議法と民事再生法の違い
和議法では支払停止などの「破産の原因たる事実」が手続きの申し立て要件であったのに対して、民事再生法では「破産の原因たる事実の生ずる恐れ」がある場合でも申し立てが可能となった。また、申し立てから手続き開始までの期間は、和議法では半年以上かかったのに比べて、約2週間に短縮された。さらに、債権者集会での再建計画案の可決要件も緩和された。その他にも、以下のような違いがある。
【和議法と民事再生法の違い】
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民事再生法 |
旧和議法 |
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対象 |
中小企業のほか、大企業も利用可 |
全ての法人、個人 |
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再建計画が認められるまでの期間 |
約6ヶ月 |
約1年 |
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申し立て権利者 |
債権者のみ |
債権者および債務者 |
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申し立て条件 |
破産原因が発生する恐れがあること |
不渡りや債務超過等の破産原因があること |
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再建計画の提出時期 |
開始決定後、裁判所の定める期間内に提出 |
申し立て時に計画案を申し出る |
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再建計画の可決要件 |
債権者の1/2、総債権額の1/2以上の同意 |
債権者の1/2、総債権額の3/4以上の同意 |
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担保権行使 |
個別に競売等の中止命令を出せる |
手続きと無関係に担保権を行使できる |
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■ 民事再生手続きの流れ
民事再生のための手続きの標準的な流れは、以下の通りとなっている。