<セーフガード>
■ セーフガードとは
セーフガードとは、日本語では
「緊急輸入制限措置」といい、輸入品の急増で国内産業が大きな損害を受けることを回避するため、
政府が関税を引き上げたり輸入量を制限したりして、一時的に輸入品の流入を抑える制度である。
WTO(世界貿易機関)の協定で世界各国に認められている制度であり、予見し得ない事情による輸入の増加や重大な損害の発生、国民経済上の緊急の必要性などの条件を満たし、政府が必要だと判断した場合に発動できる。しかしこれらの条件を満たさずに発動すると、WTOが取り消しを命じる場合もある。
■ セーフガードの種類
セーフガードは、その対象品目によって以下の3つの種類がある。
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一般セーフガード |
繊維セーフガード |
特別セーフガード |
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対象品目 |
全品目 |
繊維と繊維製品全般 |
農産物 (WTO農業合意により自由化された品目) |
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発動条件 |
国内産業に重大な損害 |
国内産業に重大な損害 |
規定を上回る輸入量 規定を下回る輸入価格 |
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発動期間 |
原則4年以内 延長して最大8年まで |
3年以内(延長なし) |
最長でも1年以内 |
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日本での発動実績 |
なし (暫定発動はあり)
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なし |
あり |
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1)一般セーフガード
工業製品や農産物など、すべてのものを対象とするもの。発動期間は原則4年、延長して8年まで認められている。発動には以下のような条件を満たす必要があり、日本ではまだ正式には発動した実績はない。
- 発動条件を満たしているかどうかを、利害関係者(生産者、消費者、商社など)の意見を幅広く聴取し実態調査を行ったうえで、政府が客観的に判断しなければならない。
- 措置を行う相手国に対して、同意を求めるための協議を行わなければならない。合意が不成立になった場合は、輸出国には対抗措置(報復措置)をとる権利がある。
- 相手国と協議をする場合、その品目の輸出を中止してもらう代わりに別な品目を輸入するなどの、貿易上の補償を適切な形で与えなくてはいけない。
- 輸入制限を行う場合には、過去3年間の輸入実績の平均を下回らないような措置を取る必要がある。
- 発動期間中は、輸入制限の措置をだんだんと和らげていかなければならない。
2)繊維セーフガード
繊維および繊維製品を対象としたもの。これも日本ではまだ発動の実績はない。
3)特別セーフガード
WTO農業合意によって自由化(関税化)した農産物だけを対象にするもの。対象品目の輸入量が一定の量を超えた場合に、自動的に発動される。発動期間も1年足らずと短く、発動の条件も緩い。日本でも豚肉や生糸などで発動された実績がある。
■ 一般セーフガードの暫定発動
一般セーフガードには「緊急に発動しないと回復しがたい損害が生じる」場合に適用される仮決定のことである。適用期間は200日以内で、関税引き上げを行うことができる。本措置のように輸入数量を制限することはできない。
この暫定措置を発動し、200日以内に該当する国内産業の実態と輸入による弊害の因果関係を、立証できなかった場合、あるいは後になって必ずしもそれは輸入による弊害ではないとされた場合には、暫定的な措置を取った間に関税を引き上げた分すべてを輸入業者に返さなければいけない。
日本では、これまで一般セーフガードを発動した実績はなかったが、今年の4月10日政府は、ネギ、生シイタケ、畳表(イ草)の3品目について一般セーフガードの暫定発動を決定した。実施期間は2001年4月23日から200日(2001年11月8日まで)となっている。現在、政府は主要輸出国である中国と輸出の自主規制をめぐって交渉中である。
この暫定発動によって、過去三年間の輸入実績から算出した一定数量まで現行の低い関税率を適用し、それを超える輸入には追加税率を適用する。
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通常関税の輸入枠 |
現行の関税率 |
追加関税(税率) |
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ネ ギ |
5383トン |
3% |
225円/kg (256%) |
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生シイタケ |
8003トン |
4.3% |
635円/kg (266%) |
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畳表(イ草) |
7949トン |
6% |
306円/kg (106%) |
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