<相互会社>
(1)相互会社とは
相互会社とは、保険業法で保険会社にのみ設立が認められた会社形態である。相互会社は、保険契約者をお客ではなく、社員(=会社の出資者)とみなして、社員相互で保険しあうことを目的として設立されたもので、日本の生命保険会社の大半は、この「相互会社」という組織形態を取っている。
契約者=社員である相互会社では、社員数が非常に多いため、以下のような組織で会社運営上の基本的な決定を行うことになっている。しかし、現実的には、「委任状」という形で役員に経営が一任されている。相互会社には、会社の外部から経営を厳しくチェックする「株主」という存在がいないため、経営陣への圧力が弱く、長期にわたって安定した経営が行えるというメリットがある。反面、株式を発行して資金調達をすることが出来ない。
【相互会社の仕組み】
■社員総会・総代会…社員(契約者)の中から「総代」を選出し、この総代会で、会社運営上の基本的な事項を決定する。社員(契約者)は所定の手続きにより会議を傍聴できる。
■評議員会…経営の適正を期するためのもの。評議員は、社員または学識経験者の中から総代会で選任される。
■懇話会・懇談会…社員(契約者)に経営に対する意見を聞くための会。
(2)株式会社の保険会社との違い
一方、損害保険会社や外資系の保険会社のほとんどは、「株式会社」の形態をとっている。株式会社にすれば、広く一般から資金を集めることができるというメリットがあるが「株主」に対する責任が発生することになる。
契約者の保険契約上の権利義務(保険料を支払う義務や保険金などを受け取る権利など)に関しては、どちらの形態の会社でも違いはない。
ただし、相互会社の場合、「保険加入=社員になる」ということを意味するわけであり、万が一破綻してしまった時には共同責任的な考え方で言えば、破綻会社の社員である自分の満期金などが減らされても仕方ないとも考えられる。そのため、保険会社が破綻すると、契約者が弱い立場にたたされてしまうのが実情となっている。
かつては、相互会社が販売する生命保険は「有配当保険」で、株式会社が販売する生命保険は「無配当保険」という違いがあった。しかし、1996年の保険業法の改正で、相互会社にも無配当保険の取り扱いも認められるようになったため、この差はなくなっている。
※有配当保険:運用益などで剰余金がでた場合、それを契約者に配当する保険
※無配当保険:会社が利益を得ても配当はないが、リスクを負うこともなく、掛け金も割安な保険