<資本コスト>
現在、事業の評価基準に資本コストの考え方を取り入れる企業が増えており、企業経営には欠かせない重要概念となっている。
1.資本コストとは
資本コストとは、企業が資本を調達する際にかかるコストのことである。企業の資本調達源泉は、債権者から調達する負債と、株主から調達する株主資本に大別することができる。資本コストも、債権者から負債を調達するのにかかる負債コスト(例えば、借入金に対する支払利息や債券に対する発行費用及び支払利息など)と、株主から株主資本を調達するのにかかる株主資本コスト(株主の要求収益率、配当に加え、株式の値上がり益も含まれる)の2つに大別される。
企業が資本を調達するということは、何らかの投資活動があるということであるから、資本コストは、投資活動が最低限獲得しなければならない必要最低利益率であると考えることができる。また、資本コストを投資家の観点から定義すると、資本コストは投資家が要求する最低限の要求収益率であるといえる。
2.加重平均資本コスト(WCAA)
一般に、企業全体の資本コストは、源泉別資本コストを資本構成で加重平均したもの、つまり加重平均資本コスト(weighted average cost of capital:WACC)として定義される。今、社債の市場価値が30億円、普通株式の市場価値が45億円の企業があるとしよう。社債の資本コストは10%、普通株式の資本コストが12%である。税率を50%とすると、加重平均資本コストは次に示されるように、9.2%となる。
【加重平均資本コストの計算例】
| 調達源泉 |
資本コスト |
税引後 資本コスト |
資本構成 |
加重資本 コスト |
|
社債 |
10% |
5% |
0.4 |
2.0%
|
|
普通株式 |
12% |
12% |
0.6 |
7.2% |
|
加重平均資本コスト |
9.2% |
上表の加重平均資本コストの計算過程を一般式で示したものが次の式であり、よく用いられている。