<SFA>
SFA(Sales Force Automation)とは、企業収益を直接支える営業活動全般の業務革新を目指す動きのことである。新しいIT(情報技術)の登場によって、営業部門でも単なる業務の合理化以上の効果を期待できるようになっている。
これまで企業がシステム化に取り組んできた業務は、会計や仕入れ・在庫管理、受発注処理など、主にバックオフィス業務と呼ばれるものばかりであった。一方、営業部門については企業の収益に直接貢献する部門であるにもかかわらず、根本的な情報化による生産性向上を図っている例は、少なかったようである。営業は長い間、3K=「勘」「経験」「根性」が成果を左右する業務と言われ、個人の「能力」や「やる気」を超える業績向上手法は存在しなかった。
しかし、新しい情報技術の登場によって、単なる業務の合理化以上の効果を営業部門でも期待できるようになった。
1.SFAの具体的機能
それでは、SFAを構成する具体的な機能には、どのようなものがあるのだろうか。
| (1)生産性の向上 |
| 例えば、グループウエアを利用して営業部門全体での活動効率を上げたり、見積書や営業報告書を自動作成したりすることにより、事務負担の軽減を図る。 |
| (2)顧客の管理 |
| 顧客ごとに接触した過去の履歴(コンタクト履歴)をパソコンで管理することで新たな商談につなげたり、担当者が代わっても引き継ぎがスムーズにできる。また、商談の各段階毎の作業を標準化し、システムでその進捗状況を管理したり、各段階で必要になる情報を即座に取り出せるようにしてある。 |
| (3)ノウハウの共有 |
| 営業の成功の秘訣や勝ちパターンなどを共有することにより、ベテランの詳細な行動実績を新人が参照できるようになった。 |
2.広がりを見せるSFAの領域
SFAは営業部門の情報化からスタートしたが、今や顧客に接する部門は営業だけではない。例えばCTI(Computer Telephony Integration:電話とコンピュータを融合することによる、電話の新しいサービスを提供する技術の総称)の進歩によって、顧客からの電話をコール・センターで受け、データベースとの連動によって顧客一人ひとりに最もふさわしい対応をすることが可能になった。商品を購入して以降の顧客対応を行うサポート部門でも、顧客からの問い合わせに対して、コール・センターを設置、利用するところが多いようだ。また、インターネットの急激な普及によって、ホームページを使って顧客対応をするところも増えている。このように、顧客と接触するためのチャネル(経路)は多様化している。
そこで、営業部門だけではなく企業内の顧客チャネル全てで情報を共有し、サービスのレベルを引き上げて顧客満足度を高め、業績向上に結び付けようという考え方が現れた。これをCRM(Customer Relationship Management)と呼ぶ。特に競争の厳しい金融業界で、CRMへの取り組みが目立つ。最近のSFAの統合業務パッケージはほとんどがこのCRMの考え方を取り入れ、機能も規模も拡大している。
3.導入するも少ない定着率
ところが、導入はしてみたものの、業務として上手く機能している例は意外に少ないようだ。日本総合研究所がSFA導入企業150社に行った調査によれば、「まあ成功」「明らかに成功」は合わせて8%程度に過ぎない。これには以下のような理由が考えられる。
| (1)達成すべき目標が不明確 |
| 顧客にどのような価値を提供すべきなのか等の目標設定がされていないケースが多いようである。そのため営業部員もSFAツールを使う必要性を感じないままに業務をこなしてしまうことになる。 |
| (2)営業の「管理」に終始してしまう |
| システム部門や営業管理者主導によるシステム開発を行ってしまうと、営業部員の活動状況の管理に終始してしまい、本来の目的である「営業支援」の機能が弱くなってしまうケースが多々ある。 |
| (3)機器の使い勝手の悪さ |
| 特に年配の営業部員においては、携帯情報端末への入力に手間取り、場合によっては全く端末を利用しないなどの事態が生じる場合がある。
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これらの問題を解決すること、つまり「導入目的は何か」を明確にして「営業部員にとって使い勝手の良い」SFAシステムを構築することが、重要である。そのためにはトップマネジメントの強いリーダーシップが不可欠であることは、言うまでもない。