4月のテーマ<マーケティングとは何だろう>
第1回 マーケティング・コンセプト

マーケティングの定義
 マーケティングという概念を一言で的確に表現することは非常に難しい。「マーケティングとは何か」については様々な解釈があるが、ここでは最も代表的なAMA(アメリカマーケティング協会)の定義を参考にしてみよう。

 「マーケティングは個人や組織の目的を満たす諸交換を生み出すために、アイデア、財、サービスの着想、価格、販売促進、流通 を計画し、実行する過程である。」(1985、AMA)

 AMAの定義からマーケティングについての考え方が導き出せるが、その意図は、「企業が製品を通 じていかに市場に対応すべきかを検討し、これを実行することである」と読みとることができる。

マーケティング・コンセプト
 企業や組織の行うマーケティング活動は、ある考え方に基づいて展開されている。この考え方はマーケティング・コンセプトと呼ばれ、「企業経営にあたって必要とされる企業の市場に対する考え方もしくは接近法」であるといえる。マーケティング・コンセプトとは、まさに「企業が全組織的に持つべき市場に対する考え方」ととらえる必要がある。

 マーケティング・コンセプトは、時代の流れとともに、生産志向→販売志向→マーケティング志向へと変遷してきている。

生産志向
 これは、生産すれば売れる時代における志向であり「消費者は、入手しやすく、手ごろな価格の製品を好む」ことを前提とした経営理念である。この考え方のもとでは、生産活動が第一とされ、主要な経営課題は生産プロセスの改善や流通効率の追求となる。

販売志向
 「売り手が販促努力をかなりしなければ、消費者は多くを買わないだろう」ということを前提にしている考え方である。これは生産すれば売れる時代が終わり、販売組織や広告を強化して、いかに販売するかに重点が移った頃の考え方である。例えば、大量に生産した製品が需要の減退や景気の後退などによって売れなくなれば、その製品は予定通りには売れなくなり過剰在庫になる。そして、その過剰在庫をいかに売りさばくかが大きな問題になるのである。

マーケティング志向
 「標的市場にどんなニーズや欲求があるかを明らかにし、それによって望まれている満足を競争相手よりも効果的かつ効率的に供給することによって、組織目標を達成することができる」と考える経営理念である。販売志向に基づく活動が行われた結果、一方的・高圧的な販売活動が行われるなどして、顧客の期待を裏切るようなケースが多く見られ、社会的な問題が発生することとなった。このような問題発生への反省から生産・販売への考え方が見直されるようになり、登場したのがマーケティング志向という考え方である。
 マーケティング志向は、「顧客ニーズを出発点として、様々な活動を組み合わせて統合的に展開することを通じて、顧客ニーズを満足させることによって利益を獲得する」という考え方に基づいて展開される活動のことを意味している。


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