6月のテーマ<消費者行動>
第3回 消費者の購買行動のモデル
■ 消費者行動研究は、古くは経済学から出発し、その後、心理学などの行動科学からのアプローチが行われるようになり、そして、広告研究の流れを汲む消費者行動に関する包括的なモデルが次々に提案されてきた。
その主要な消費者行動のモデルは大きく、S−R モデル(刺激−反応モデル)、S−O−R モデル(刺激−生活体−反応モデル)、消費者情報処理モデルと移り変わりを見せている。
1)S−R モデル(刺激−反応モデル)
S−R モデルは、消費者の内面をブラック・ボックスのまま残し、そこにインプットされる刺激(S:stimulus)とそこからアウトプットされる反応(R:Response)との関係を分析するモデルであり、ブラック・ボックス・モデルとも呼ばれている。例えば、価格を変化させた場合に購入量がどれくらい変化するかということを見ることによって、刺激に対する消費者の反応が理解されることになる。
|
■S−Rモデル |
|
このモデルの欠点は、刺激から反応に至る過程を媒介する消費者の心的活動が全く考慮されておらず、消費者行動を捉えるには不十分なところにある。このブラック・ボックスの中身を明らかにしようとして、次のS−O−R モデル(刺激−生活体−反応モデル)に関する研究が展開されることになる。
2)S−O−R モデル(刺激−生活体−反応モデル)
1960年代後半以降、消費者行動研究が一つの学問領域として体裁を整えてきた。この頃の研究として、S−O−Rモデル(刺激−生活体−反応モデル)を挙げることが出来る。このモデルは、刺激(S)と反応(R)の間に生活体(O:organism)を仲介変数として導入することによって、ブラック・ボックスの中身を分析して行くモデルであり、SーR モデルの延長線上に出てきた考え方である。
具体的には、広告や製品などの企業からの刺激に対して消費者がどのように反応するかという反応過程を態度・動機などの仲介変数を用いながら解明しようとしたものである。有名なモデルとしてはハワード=シェスモデル、ニコシアモデルなどが挙げられる。
しかし、S−R モデルもS−O−R モデルも消費者が刺激を与えられてから初めて反応するといった受動的な消費者を想定している点に大きな問題がある。
3)消費者情報処理モデル
消費者情報処理モデルはS−O−R モデル研究の後を受けて、1970年代から活発に研究が行われてきたものである。理論的基礎を認知心理学に置いており、人間をS−RモデルやS−O−Rモデルにおけるような受動的な受け手でなく、自ら積極的に刺激や情報を探り出し、能動的に情報を処理する問題解決者と捉えている。このモデルは、S−RモデルやS−O−Rモデルの問題点を克服するものであり、有名なモデルとしては、ベットマン・モデルなどを挙げることが出来る。次に示すのは、消費者情報処理モデルの基本図式である。
|
■消費者情報処理モデル |
|