8月のテーマ<価格計画>
第2回 心理的価格政策
■ 心理的価格政策は、理性に訴えるよりも、むしろ「顧客の心理面に訴えて購入を促そう」とする価格政策である。この政策は、最終消費者に対する価格設定を行う小売店の段階で用いられることが多い。
1.威光価格(名声価格)
買い手に品質の良さを印象づけるために、意識的に高く付けられた価格(威光価格)である。高級品やぜいたく品などのように購入頻度が低く、消費者が品質を判断しにくい製品の場合に多く用いられる。
2.慣習価格
長期にわたって一定している価格が、買い手によって受容されている場合に、引き続き同じ水準で設定される価格である。慣習価格は、一度形成されると固定的になり、たとえ慣習価格より低い価格が設定されても需要はあまり伸びず、逆に高めの価格が設定されると需要は大きく減少する。
3.端数価格
ちょうど10,000円というように、区切れの良い価格を付けるのでなく、9,980円などのように9や8などの端数を使って設定される価格である。10,000円と9,980円ではわずか20円しか差がないが、端数価格を設定することによって、消費者は20円以上の差があるという心理的な印象を受けるのである。
4.プライス・ライニング
ネクタイやベルトに代表されるように商品によっては、消費者が一定の価格の範囲内では価格の小さな相違を気にせず購入するものがある。このような商品の場合には、1つひとつに異なった価格をつけるよりは、高級品、中級品、低級品といった区分を設け、それぞれのクラスに見合った価格をつけている。これを「プライス・ライニング」と呼んでいる。小売業では、このようにして、多くの商品を数種の価格にまとめている。
5.マルチプル・ユニット・プライス
これは2個で80円、5個で150円というように、2つ以上の複数商品をひとまとめにしてそれに設定された価格である。マルチプル・ユニット・ブライスは、1個ずつ買うよりは一括購入することによって、単位あたり商品価格は安くなるという消費者心理を利用したものである。これによって小売業者は売る手間を省き、大量の商品を売りさばくことができる。