8月のテーマ<価格計画>
第3回 価格設定の方法
■ 前回、前々回で見てきた「需要の価格弾力性」、「新製品の価格政策」、「心理的価格政策」などに基づいて価格設定が行われる。製品につけられる価格は、利益が生じ(つまりコストよりも高く)、しかも需要が発生する範囲内で設定する必要がある。また、競合ブランドの価格、競合店の価格などを考慮して価格は設定される。つまり、価格設定には、「コスト」「需要」「競争」という3つのポイントが考慮される。
(1)コスト志向型価格設定
コスト志向型価格設定は企業が安定した利益を得ることを目的として価格を設定する方法で、「コスト・プラス法(値入れ価格設定)」や「損益分岐点を用いた価格設定法(目標利益価格設定)」などがある。
1.コスト・プラス法
コスト(原材料費、人件費、宣伝広告費、物流費など)に一定の利益を加えたものを、販売価格にしようとする最も単純な方式である。以下のような計算方法で求めることができる。
2.損益分岐点を用いた価格設定法
損益分岐点売上数量を越えた場合には黒字が発生し、損益分岐点売上数量を越えなかった場合には赤字が発生するという点を考慮したうえで設定される価格設定方法である。損益分岐点販売数量は、以下のような計算方法で求めることができる。
(2)需要志向型価格設定
生産者側のコスト(原価)ではなく、消費者の意識や所得の額(支払い能力)をもとにして価格を決める方法である。製造原価とは別に、その製品を消費者がどれほど欲しいと思っているか、いくらくらいまでなら支払うつもりがあるのかを調査し、それをもとにして売価を決める。先に価格を決めて、後からコストがいくらかかるか、利益がどれくらい上がるかを計算し、それに見合う製品をつくるという方法もある。
(3)競争志向型価格設定
同じ製品を販売している他の競合会社と競争することを念頭において価格を決める方法である。例えば、ある製品を売り出そうとしたとき、他の会社が同様の製品にいくらの価格をつけて売っているのかを調べて、それよりも安い価格を設定したり、同じ価格に設定したりすることがこれにあたる。