9月のテーマ<流通チャネル>
第1回 チャネルの機能
■ 流通チャネルとは、ある製品やサービスが生産者から最終消費者もしくは生産財ユーザーへと動くときに、所有権を取得したり、あるいはその移転の補助をしたりするあらゆる企業と個人の集合である。
今日のように社会が大規模複雑化すると生産と消費とのあいだには、さまざまな経済的不一致が発生する。この不一致を除去、調整する機能を果たすのがチャネルである。具体的には、チャネルは次のような機能を果たしている。
(1)取引回数の削減
チャネルの存在が必要とされる理論的根拠の1つに、流通チャネルが売り手と買い手とのあいだの取引回数を縮小化させるという機能がある。卸売業者の存在は、メーカーの取引回数を著しく少なくし、コストや時間の節約に役立っているのである。この関係を示したのが下記の図である。市場Aでは、売り手と買い手が取引を直接しなければならないので、20回の取引が必要となる。これに対し市場Bでは、中間業者Iが存在することによって、9回の取引ですんでいる。
■中間業者の取引回数削減機能
(2)調整機能
流通チャネルが行う調整活動として、集荷、小口分散、標準・規格化、品揃えの4種がある。これらの機能によって生産者と消費者とのあいだのさまざまな利害が調整され、商品の流通が円滑に行われるようになる。
(3)需要刺激の機能
マーケティングの本質は需要の創造にあるが、流通システムは、その行動を通して需要の創造を行っている。流通システムが需要を創造するために用いている手段は、製造業者が用いている手段と同じである。その中心はプロモーションと呼ばれる人的販売、広告、セールス・プロモーション、PRなどである。流通システムは製造業者が行うプロモーションを補足したり、あるいは独自に実行している。
(4)情報提供機能
市場や消費者と直接接触しているか、あるいはより近いところに存在している流通業者は、市場の動向や消費者の実態を誰よりもよく知りうる立場にある。それらについての情報は、メーカーの製品開発や販売促進など、需要の創造や経営全般に不可欠なものである。
(5)物流機能
流通業者は、製造された製品を消費者に到達させるために、貯蔵したり、運搬したりしている。これらの機能は「物流」と呼ばれる。物流には見た目のはなばなしさはないが、この働きがあってはじめて製品の流通が可能となる。