9月のテーマ<流通チャネル>
第3回 VMS(垂直的マーケティングシステム)
■ チャネルを垂直的な1つのシステムとして見た場合、流通チャネルは伝統的流通経路(CDC)と垂直的マーケティングシステム(VMS)という2つのタイプに大きく分類することができる。
(1)伝統的流通経路(CDC:Conventional Distribution channel)
伝統的流通経路では、生産者、卸売業者、小売業者などの流通機関が、自立的に行動している。取引においては攻撃的な交渉を行い、1回1回独立した取引を基礎にした関係を確立している。次に示す垂直的マーケティングシステムと比較すると、チャネルの構成員間の垂直的な結びつきが無い。
(2)垂直的マーケティングシステム(VMS:Vertical Marketing System)
垂直的マーケティングシステムは、生産段階、卸売段階、小売段階のうち、少なくとも2つ以上の段階が強く結びつき、運営の経済性および市場成果の極大化を達成するために、あらかじめ計画された専門的な管理の下で集中的にプログラム化された仕組みを持つ、垂直的に組織化された流通経路である。VMSでは、チャネルをシステムとして統合し管理する者、つまりチャネル・キャプテンが存在するという特徴を持つ。
垂直的マーケティングシステムは、チャネル構成員間の組織的統合の程度から、企業型VMS、契約型VMS、管理型VMSの3つのタイプに分けることができる。
■VMSのタイプ
◆企業型VMS
一つの企業が自らの資本を用いて生産、卸売、小売の各段階を統合するパターンである。例えば、生産者が自らの資本によって卸売機能、小売機能を遂行する場合や、大規模小売業者が自らの資本によって生産者や卸売業者を統合する場合である。
◆契約型VMS
流通段階の異なるチャネル構成員である独立企業同士(例えばメーカーと卸売業)が、契約によって結びつき、独立した企業のままでは達成することのできない経済効率を達成しようとするものである。例えば、FC(フランチャイズ・チェーン)契約、VC(ボランタリー・チェーン)契約、代理店契約によって展開されて行く。
◆管理型VMS
企業型のように資本の所有に基づくものでなく、また、契約型のように正式の契約によるものでもなく、各構成員が相互依存関係の存在を認識し、主導権者を信奉している場合にみられるタイプである。大きな市場占有率や有名ブランドを持っている企業がチャネル・キャプテンとなり、他のチャネル構成員からの協調と支持を得たうえで、流通チャネルを調整し、維持するという方法がとられる。