11月のテーマ<セールスパーソン活動>
第3回 セールス活動の進め方
セールス活動の進め方は販売員の種類やそのときどきの状況によって決まり、厳密には定型化できるものではない。しかし、多くの企業や販売員が意識的、無意識的に実行している基本的な販売の進め方を示すと次のとおりである。
(1)見込客のリストアップ
販売の第1段階は、見込客のリストアップを行うことである。販売担当者は、会社の販売記録、広告に対する問い合わせ、顧客による照会、新聞の案内欄(結婚、誕生、死亡)、官公庁の印刷物、電話帳、商工会名簿、同窓会名簿などから見込客をリストアップする。しかし、これらの見込客のなかには、顧客にはなりえない人もいるので、そのような人を排除するためにリストの評価を行う必要がある。
(2)訪問の準備
販売担当者は見込客のリストアップをしたのち、すぐ彼らとの接触を図るのではなく、その前に見込客の製品に対するニーズ、現在使用中のブランド、そのブランドに対する反応、見込客の性格などについての情報を集め、分析する必要がある。入手した情報は、顧客への接近方法やプレゼンテーションのしかたを工夫するために使用される。
(3)見込客へのアプローチ
販売員が見込客と最初の接触を図ることを「アプローチ」という。アプローチは、見込客の販売員に対する第一印象の決め手となる。
アプローチの方法には紹介状による方法、飛込み販売(事前の承諾をいっさい受けないでアプローチする方法)、また保険や自動車の販売にみられるように、標的を定めた見込客を繰り返しアプローチする方法などある。どの方法を選ぶかは、販売商品の種類、企業の経営政策、見込客の性格、販売員の好みなどによって決められる問題である。見込客の最初の注意を引くことができたら、見込客に訪問の目的を告げ、興味を喚起したうえでプレゼンテーションに移る。
(4)プレゼンテーションの実施
プレゼンテーションの目的は、見込客に欲望を起こさせ、購買行動へ導くことである。販売員は訪問の準備やアプローチの段階で入手した情報に基づいて、注意深くプレゼンテーションを進めなければならない。
プレゼンテーションの目標は、見込客の本当のニーズを知り、それが自社製品の消費・使用によって充足できる事実を知らせることである。その際、販売員が心掛けるべきことは、見込客がニーズを自覚し、問題を解決できるようによいパートナーとなることである。そのとき、顧客に代わって意思決定を行うような不遜な態度をみせてはならない。購入の決定を下すのはあくまで顧客自身であり、販売員は顧客とともに問題を解決するのだという考えのもとに行動すべきである。
(5)クロージング
見込客に最終的に注文を求めることをクロージング(締結)という。商談をクロージングするには、次のような技法がある。
1. |
買い手の利点など、プレゼンテーションで最もポイントと思われる点を、もう1度集約して示す。 |
2. |
見込客の購入イメージを高めるために、「どの色をお求めでいらっしゃいますか」とか、「ご予算はいかほどですか」などと聞いてみる。 |
3. |
いろいろな表現方法が考えられるが、簡潔、直裁に注文を求める。 |
4. |
重要な反対意見に答える。 |
(6)フォローアップ
顧客満足を確実にして継続的な取引を望む場合には、販売プロセスの最終段階であるフォローアップが必要になる。まず、商談締結直後に、販売員は納期、購入条件などの詳細を明確にする。そして、フォローアップの訪問を予定し、最初の注文が顧客に届けられたときに設置、説明、サービスが適切に行われたかどうか確認する。問題があれば、この訪問によって明らかになるし、販売員の配慮が顧客に確信され、販売後に顧客の心に生じた不安が解消される。