12月のテーマ<広告戦略>
第3回 広告表現とメディア

1.広告表現の意義
 広告の使命は、情報の送り手が意図した「心理変容」さらに「態度変容」を情報の受け手にもたらすことである。そのためには、情報の受け手、つまりターゲットを想定し、情報を加工して狙いを絞り、確実に到達させ、効果を上げるための工夫が必要となってくる。それが広告表現である。

 朝、新聞をひらくと載っている車のモデルチェンジ広告。テレビから聞こえてくる新しいビールの新発売広告。ふだんなにげなく接しているさまざまな広告にも、そのひとつひとつにそれぞれの「広告目的」があり、「コンセプト」が設定されて、具体的な広告表現が作られている。広告したい商品を、どんなコトバで伝えるか。どんな映像で見せるか。どんな媒体にのせるか。それぞれ専門の技術をもった人間がアイデアを出し合って作られた表現が、世の中に現われてくるのである。

2.広告表現とメディア(媒体)
 広告表現にもさまざまなメニューがある。『どのような商品を広告するのか』、『タ一ゲットは誰か』、『伝えたいのは商品か、企業姿勢か』、いろいろな条件によって、有効な媒体を選び、その媒体に合った表現を作っていくことになる。

(1)新聞広告
 新聞のページをめくるときの気持ちを思い出してみよう。「きょうは世の中何が起きているのだろう…」、こんな気持ちに入っていくときであるから、新聞広告は有効である。たとえば、新製品の発売や企業名の変更などを、社会的なニュースとして伝えることができる。キャンペーンでは、節目となるタイミングに新聞広告を出すことが多い。

(2)テレビCM
 テレビCMは、いきなり目に飛び込んでくる。音が耳に残る。そこで、商品の使い方を見せたり、名前を耳で覚えさせることができる。また食品などの、いかにもおいしそうに「そそる感じ(=シズル)」なども伝えやすい。広告の中では、最も人の感覚に訴える表現ができる。それだけにインパクトが強く話題になりやすいので、世の中の注目を集めるアイデアが必要である。

(3)雑誌広告
 雑誌は年齢、性別、趣味などで、はじめからターゲットが絞られている。商品のターゲットに合わせて雑誌を選べば、より実感のある表現を盛り込むことができる。たとえば、化粧品は女性誌で女性の気持ちをつかむ表現をしている。また、同じ読者が同じ雑誌を読むことが多いので、キャンペーンでは、雑誌にシリーズ広告を展開して、ブランドイメージを形成していくことができる。

(4)ラジオCM
 ラジオを聴いている場面を想像してみると、仕事をしながらだったり、運転をしながらだったりと、たいてい「ながら聴き」である。そういう聴き手を音だけで引きつけなければならない。効果音や歌、タレントの肉声などを使って、耳を傾けさせる表現がされている。

(5)DM(ダイレクト・メール)
 自分宛に届いた封筒には、なにかいい情報が入っていそうな気がする。そこを狙うDMも広告のメニューのひとつである。ターゲットが特定の個人なので、より絞り込んだ情報を送ることができる。また、リアクションも期待できる。

(6)インターネット
 インタラクティブ(双方向)なコミュニケーションが可能なインターネット。これまでの媒体と画期的に違うのは、利用者自身がその場で情報を選択できるところである。したがって、相手の好みに応じてよりきめ細かい表現も可能である。

(7)キャンペーン
 いくつかの媒体を使って、ある期間にわたり広告活動を展開するのが「キャンペーン」である。キャンペーンを行うと、生活者はいろいろな場面でその広告情報に接することになる。昨夜テレビで見た商品の広告を次の日は雑誌で読む、という具合である。つまりキャンペーンは、媒体の特性に合わせた表現を組み合わせて、いろいろなカタチで広告情報を届けることができるのである。


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