10月のテーマ

<< キーワード:企業・消費者間EC(BtoC) >>

電子取引(EC:Electronic Commerce)のうち、企業・消費者間ECのことを「BtoC( Business to Consumer)」取引という。

■ 不特定多数の消費者をターゲットとした消費者向けEC(BtoC)には、パソコン関連商品などのネット販売をはじめ、最近ではインターネットを利用して振り込みなどを行える「インターネットバンキング」サービスを提供する金融機関も増加しており、今年中には「インターネット専門銀行」も誕生する。また、株式取引にインターネットを活用する証券会社(オンラインブローカー)も増えてきている。

■ 「BtoC」の代表であるネット販売とは、eリテール、オンラインショッピングとも言い、インターネットを通じてメーカーなどが卸業者を介さずに消費者から直接注文を受け、届ける販売の仕組みのことである。ネット販売の特徴は消費者が家庭にいながら買い物ができる点である。一方、企業にとっては販売コストの削減、在庫管理の徹底、顧客情報の直接把握などのメリットがある。

■ ネット販売の具体的形態がバーチャル・モールである。インターネットなどの情報ネットワーク上に設けられた仮想の店舗をバーチャル・ショップ(virtual shop)といい、それらを1ヶ所に集めてショッピングセンターのようにしたものをバーチャル・モール(virtual mall)と呼ぶ。バーチャル・ショップは現実の店舗に比べて低予算で手軽に始められるというメリットがある。しかし、インターネット上における決済手段の標準化は果たされておらず、詐欺行為や個人情報の悪用を危惧する声も少なくない。電子商取引の普及をさらに発展させるためには、電子マネーなど国際標準の安全な決済手段をできるだけ早く確立する必要がある。

■ バーチャル・モールの成功例として最も有名なものが「楽天」である。同社は97年に出店企業13社でスタートし、現在、国内最大規模に急成長している。同社の成功は大手企業が展開した電子モール事業の失敗を教訓に、(1)初期投資となる出店価格を低く抑え、(2)従来モール運営側が作成していたコンテンツを出店側が作成でき、(3)ワープロ入力できる人なら誰でも簡単に店舗の作成・編集,商品の受注ができるシステムを開発し、提供していることである。また、店舗に対しては商品の価格帯・店舗作成及び商品の管理方法、提供システムの分析結果の見方、受注後の対応方法、パソコン・インターネット全般の教育等の支援を行っている。設立から3年で大きく成長している同社は今年、店頭公開を果たした。

■ 以上のような現実の動きは学問的には「サイバー・マーケティング」(エレクトロニック・マーケティング、Webマーケティング)と表現される。IT革命といわれる情報化社会の急速な進展は、従来の商品、広告、販売チャネル、取引関係などに関する従来のマーケティングの状況を大きく変えつつある。これに対応する学問としての新たなマーケティングの枠組みを構築しようとするのがサイバー・マーケティングという学問分野であり、マーケティング研究の第一人者であるコトラー教授は、次のような4つの原則(特徴)が成功要因であるとしている。

  1. 顧客データベースの構築と積極的な活用
     市場規模の拡大が見込めず顧客の数が限定される時代にあっては、顕在化している顧客はもちろん、どれだけ多くの見込み客を集め、その情報をデータベース化するかが競争優位性の源泉となる。
  2. Webぺージを活用した顧客とのリレーションシップの確立
     方法としては、次の7つがある。
    1. 調査への利用
    2. 情報の提供
    3. フォーラムの運営
    4. トレーニングの提供
    5. 電子商取引の実施
    6. オークションや交換の場の提供
    7. デジタル・コンテンツの提供
  3. 関連Webサイトへのバナー広告掲載
     自社のターゲット顧客がどのWebサイトをクリックするかを調査し、関連するWebサイトにバナー広告をリンクさせることで、顧客を自社のWebサイトに誘導する。
  4. 顧客とのインタラクティブ(双方向的)な関係構築
     顧客からの電子メールによる質問に対して素早い対応を行う顧客サポート体制を整えることで、顧客満足の向上と、顧客との良好な関係を築く。