■ 新製品とは文字通り「新しい製品」のことであるが、ここでいう「新しさ」の意味は、誰にとって新しいのかを考えることで多少異なってくる。つまり「企業にとって」新しいのかと「市場にとって」新しいのかとの違いだ。もちろん、企業にとっても市場にとっても新しい製品もあり、これが真の意味での「新製品」であるといえよう。しかし、実際には、企業にとって、新規の市場に参入するという意味で「新製品」という言葉が使われることも少なくはない。
■ 新製品の開発は、企業の成長や発展になくてはならないものである。なぜなら、技術は急速に発展し国際競争は激しくなり、市場や顧客ニーズ、競合他社の状況なども常に変化しているからである。こうした動きがある限り、特定の製品だけで企業が成長し、発展することは不可能なのである。
■ また、製品には生き物のように寿命がある。これを「製品ライフサイクル」と呼ぶ。通常、製品ライフサイクルは、製品が誕生してから、市場から消えていくまでの期間における売上高と利益に基づいて、導入期、成長期、成熟期、衰退期の4つに分類される。発売後わずか半年で衰退して消えていく製品もあれば、10年たってもまだ成長している製品もある。このライフサイクルがあるからこそ、新製品開発の重要性があるともいえる。
■ 新製品は、企業にとって非常に重要であるにもかかわらず、その成功率は決して高くはない。そこで、新製品開発のリスクを少しでも低くするために、効率的な「新製品開発のプロセス」がモデル化されている。新製品を開発するための、プロセスを8つのステップに分けて考えることができるのだ。
(1)アイディアの創出
新製品開発の最初のステップは、これから開発される新製品についての多くのアイディアを創り出すことから始まる。このステップを「アイディアの創出」という。新製品のアイディアは直感や思いつきなどによってももたらされるが、継続的に新製品開発を行うためには、何らかの制度的な手法や新製品開発の組織などが必要になる。
(2)アイディアのスクリーニング
新製品に関する多くのアイディアが創出されると、次のステップではこれらのアイディアが新製品開発の目標に基づいて少数に絞り込まれることになる。このステップを「アイディアのスクリーニング」という。このステップ以降でも継続的にアイディアは絞り込まれていくことになるが、このステップは最初の絞り込みということができる。
(3)コンセプト開発とテスト
次に、スクリーニングを通過したアイディアをもとにして製品の「コンセプト開発」が行われる。製品コンセプトは新製品の基本仕様書というべきものであり、このステップでは、製品属性(成分、品質、スタイル、ブランド、パッケージ、付帯サービスなど)や製品価値(消費者が製品属性に対していだく満足など)、さらには顧客ターゲットなども明らかにされる。そして、この製品コンセプトは、見込まれる顧客層を代表すると思われる消費者に提示され、その反応が「テスト」される。
(4)マーケティング戦略の開発
「コンセプト開発とテスト」が終わると、製品を市場に導入するために、どのような戦略を採用すべきかという「マーケティング戦略の開発」が行われる。
(5)経済性分析
次の「経済性分析」のステップでは、市場規模、市場構造、競争などの分析をもとにして、売上高、コスト、利益などの予測が行われ、製品の収益性が目標を満たすものかどうか評価される。このステップで高く評価されたものは、次の「製品化」のステップに進むことになる。
(6)製品化
「製品化」のステップでは、試作品が開発される。このステップでは性能・品質テストなども行われる。
(7)テスト・マーケティング
「テスト・マーケティング」のステップでは、ある限られた市場で実際に販売し、消費者や流通業者などの反応がテストされる。
(8)市場導入
最後の「市場導入」のステップでは、「テスト・マーケティング」の結果をもとにして、製品を市場に導入するかどうかが決定される。