2月のテーマ

<< 製品・市場分野の決定(成長戦略) >>
〜企業が成長していくための戦略代替案〜



■ 成長戦略とは
「製品・市場分野の決定」という観点から策定される経営戦略が成長戦略である。アメリカの経営学者アンゾフ(H.I.Ansoff)は、 「成長ベクトル」と呼ばれる成長戦略のモデルを提示した。

■アンゾフの成長ベクトル

■ アンゾフは、企業が成長のために選択できる方向として以下の4つを示した。
  • 市場浸透戦略:現在の製品・市場分野にて成長を図る戦略
  • 市場開拓戦略:現在の製品分野を新しい市場分野への投入により成長を図る戦略
  • 製品開発戦略:新しい製品分野を現在の市場分野へ投入することにより成長を図る戦略
  • 多角化戦略 :製品・市場分野ともに全く新しい分野への進出により成長を図る戦略

■ 多角化の重要性
市場ニーズが多様化するにつれて、多角化戦略が経営戦略上の重要な課題となる。しかし多角化戦略は、関連する分野への進出であればリスクが低くそれだけ成功の可能性が大きいが、既存の分野と関連のない分野への進出であればリスクは高い。

■ 関連分野でのリスクが低いのは、共通する経営資源を効果的に利用できるからである。このように2つ以上の関連する要素を有機的に結合することにより、1+1を3にも4にもするような効果(相乗効果)を「シナジー効果」という。シナジーのタイプには販売シナジー、生産シナジー、投資シナジー、経営管理シナジーなどがある。

■ 多角化のタイプ 前述の成長ベクトルにおける多角化戦略について、アンゾフはさらに次のようなタイプを示している。

  • 水平型多角化
     現在の顧客と大体同じタイプの顧客を対象にして、新しい製品分野に進出する多角化である。マーケティング面のシナジーが期待でき、リスクは低いが同じタイプの顧客層を対象とするため、企業の市場環境は従来に比べて大きく変わることはない。
  • 垂直型多角化
     既存製品の生産段階や流通段階に対する多角化で、前方的多角化と後方的多角化とに分けられる。前方的多角化は、製造業が販売会社を設立して流通段階に進出するような例であり、後方的多角化は、製造業が部品、原材料にさかのぼって多角化するような場合である。
  • 集中型多角化
     既存製品と新製品との間でマーケティングと技術の双方、またはいずれか一方に関連を持たせ、新たな市場に進出する多角化である。特殊な技術能力やマーケティング能力を持つ企業は成長分野においてそれを効果的に適用することで、シナジー効果を十分に発揮することができる。
  • 集成型多角化 (コングロマリット型多角化)
     既存の製品と市場の双方にほとんど関連のない、新しい分野への多角化である。シナジーが期待できないためリスクは大きいが、複数の異なった分野の事業を展開するため、環境変化に対して相互の売り上げのバランスを保つことができ、企業全体としての安全性を維持することができる。