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2.使用者責任の範囲
労働基準法上の責任については、それぞれの事項についてどちらが実質的権限を有しているかによって、ケース・バイ・ケースで判断されることになります。つまり、出向社員に対する「使用者」の義務と責任は、出向元か出向先かといった二者択一的なものではなく、それぞれの使用権限に応じて負うべきことなります。 一般的に良く見られるケースにおける責任所在については以下の表のとおりです。
項目 |
出向元 |
出向先 |
備考 |
給与 |
管理・
実務処理 |
負担 |
支払は出向元が行うが、負担するのは出向先であるため、出向元は出向先に別途請求を行う。 |
労働時間、
休憩、休日、休暇 |
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○ |
36協定(時間外及び休日労働の取決め)についても出向先の責任で締結する。 |
安全衛生 |
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○ |
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災害保証 |
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○ |
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就業規則 |
○ |
○ |
それぞれが権限を有する限度で責任を持つ。 |
労働者名簿・
賃金台帳等 |
○ |
○ |
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社会・
労働保険費用 |
管理・
実務処理 |
負担 |
被保険者資格の管理などは出向元が行い、保険料の事業主負担部分については出向先が負担する(実際は出向元が立替え別途出向先に請求する) |
退職金 |
○ |
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退職時には出向を解いて出向元に復帰してから、出向元の規定に基づいて処理する。 |
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労務の提供を受けるのは出向先であるから、当然賞与も含めて賃金の負担義務を持つのは出向先です。したがって、出向元が労働者に賃金の支払いを行う場合でも、別途出向先に対してその費用請求を行うことが必要です。そうしないと、出向先に対する根拠のない支給となって「贈与」とみなされてしまいます。ただし、出向元の賃金水準よりも出向先の賃金水準が低い場合は、その差額について負担したとしても贈与にはあたりません。
3.会社分割の法制化に伴う労働協約の承継
平成13年4月より、会社分割にかかる法制が施行されました。このスキームを活用して事業再編を行う場合、「承継される事業に主として従事する労働者」に関しては、本人の個別同意を必要とせずに労働者の子会社への転籍してもらうことができるようになりました。これにより、いままでの出向に代わり転籍を命ずるケースも増えてくると考えられます。
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