(2/2)
3.標準原価の活用場面
標準原価は以下のような場面で活用することを目的として設定される。
(1)効果的な原価管理を行う
実際に発生した原価が、良かったのかうまくいかなかったのかを判断する基準として標準原価を活用する。標準原価と実際に発生した原価の比べてその違い(差異)を分析する。それにより、材料の調達や製造の過程における無理無駄を明らかにして対策を打つことで、今後の原価能率を向上させる。どんな差異が発生しているかによって、分析の視点、対策の方向性が異なってくる。
|
差異の種類
|
分析の視点
|
|
材料費に
ついての分析
|
数量差異 |
材料のロス、使いすぎがなかったか |
| 価格差異 |
材料の購入価格はどうだったか |
|
労務費に
ついての分析
|
時間差異 |
工員の作業時間がかかりすぎていないか |
| 賃率差異 |
賃金の発生額、人員の過不足はどうだったか |
|
製造間接費に
ついての分析
|
操業度差異 |
生産量は予想通 りだったか |
| 予算差異 |
間接費の発生額が多すぎないか |
| 能率差異 |
実際の生産量に対する作業能率はどうだったか |
|
(2)スピーディーに業績の確認を行う
その日やその月にどのくらい儲かったかをすぐに評価したいときに、実際に発生した原価を調べて計算していたのでは時間や手間が掛かり過ぎてしまう。そこで、売れた製品についての標準原価を活用することで、素早くコストを計算して利益を求めることが可能となる。
(3)売値の決定を行う
標準原価を元にして、適正な利益を確保できる価格を素早く設定することができる。特に競争上価格を変更せざるを得ないときや、複数の製品をパッケージとして販売するときの価格設定を迅速に行うことができる。
(4)予算作成や生産計画の策定を行う
今後の生産量が決まれば、その製品の標準原価を使うことで、人員や材料を調達するための資金の必要量を簡単に計算できるので、迅速で正確な生産準備を行うことができる。逆に利益を確保するために、何をどれだけ販売する必要があるか、間接費をいくらまで掛けることができるか、といった予算を組むことも容易となる。
|