「日本の借金時計」って知っていますか? 日本国の借金残高を見ることができる時計なのですが、これが「くるくるくる…」とすごいスピードで動いていて、数秒の間に1,000万円、1億円という単位で金額が増えていくのです。この時計を見た人は「これは、大変なことになっている!」とショックを受け、「どうしようどうしよう」とあわててみるものの、どうにも止まらない、という恐怖の借金時計なのです。
じつはこの借金時計は我が師匠、経済ジャーナリスト財部誠一のサイトの中で運営されているものです。「日本の借金時計」のお手本となったのはNYマンハッタンの「THE
NATIONAL DEBT CLOCK」。アメリカが「双子の赤字」に苦しんでいた90年代に出来たものです。(6番街42〜43丁目あたりのビルの壁面
にありますので、NY・ブロードウェイ近辺に行ったときには是非、探して見て下さいね)
しかし、「日本の借金時計」を見た方から日々いただく「驚きのメール」を読むと、日本の財政危機を実感として認識している人はまだまだ少ないなという感想を持ちます。日本が財政難だという漠然としたイメージは抱いているものの、自分の問題としてそれを受け止めようとする人は滅多にはいません。大多数の人はこんなふうです。
「だって、自分がいくら考えたって借金が減るわけじゃないし…」
本当にそうでしょうか?
今日は、私と一緒に、なぜこんなに日本が借金漬けになってしまったのか、解決方法はあるのか、ちょっとだけ考えてみましょう。
まず、現状認識。ざっと数字を見ていきますと、日本の04年度の予算は約82兆円。そのうち国民から集まる税金は、たった45兆円。残りの37兆円はすべて借金でやりくりしているのです。ピンとこない方のために一般家庭におきかえてみましょう。
もし年収が450万円の人が「これもほしい、あれもほしい」と、借金をしながら1年間に820万円も使ってしまったらどうなりますか?これが健全な状況であるはずはないですよね。
借金といえば、そこにつきものなのが金利。毎年、毎年、30兆円以上の借金を積み重ねてくれば、金利だけでも莫大な額になってしまいます。その額はなんと17兆5,000億円。すごい額です。それを返済するためにまた国債を発行して借金をする。このような恐ろしい自転車操業にわが国は陥っているのです。このようなことを10年近く続けて来た結果、わが国の借金は719兆円という、他国に類を見ない、膨大な額にまで膨れ上がってしまったのです。
なぜ、そんな悪循環におちいってしまったのでしょうか?
日本の不景気が深刻になってきた94年頃から、景気対策として公共投資をどんどんやれという声が日本中からわきあがったからです。飲めや歌えといわんばかりに、日本中から橋をかけろ、ダムを作れ、道路をひけという声が沸騰したのです。公共投資のおねだりが景気浮揚につながるという考えがまだ日本中にはびこっていた時代だったんですね。
たしかに過去の歴史を振り返ると、財政出動で、景気にいい影響を与えた事例もあったので、その時の政策をただただ否定するだけでもいけないのですが、振り返って見ると、そのばらまき政策は効果があったとはいえず、結果として「借金」という重荷だけが残ってしまいました。
今、現在、さすがに公共投資は減ってきましたが、その一方で少子高齢化を目前にして、今度は年金を始めとする社会保障費が財政を圧迫し始めてきました。この状況を「しかたないね」と先送りすることもできなくはありませんが、ここで私たちが頬かむりをすると、そのツケはなんと私たちの子や孫達におそいかかるのです。
では、私たちはどうしたらいいのでしょうか?
まず、自分達さえよければいいという考えをやめてみましょう。私達は、なにかにつけ政治に文句をいい、政治家の不祥事を「断じて許さん」と厳しい視線を送っていますが、じつはこの莫大な借金をつくった張本人は、政治家に公共事業をおねだりをしたり、「補助金をくれ」と泣き言をいう国民自身だったのです。つまり国民のエゴこそが日本の借金の元凶だという認識をもつことが第一です。
次に自分達がタックスペイヤー(納税者)であるという自覚を持ちましょう。自分達が一生懸命になって働いたお金で納めている税金。それがどう使われているか、もっと厳しい目を持ちましょう。ひとりひとりが意識改革をすることでしか、税金の無駄
づかいを減らすことはできないのです。
今回大変な騒ぎになった政治家の年金未納問題。正直に払いつづけている私達は本当に頭にきましたが、唯一良かったところがあったとしたら、日本人に「年金」というものへの意識を覚醒させたことでしょう。同じように私たちがタックスペイヤーとしての自覚を強く持つことで日本の財政は良い方向へと第一歩を踏み出すことができるのだと思います。
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