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講師紹介


内田裕子(うちだゆうこ)

1991年玉川大学卒業後、大和證券にトレーダーとして入社しエクイティマーケットの第一線で現場を経験する。95年に同社の社内TV放送である「大和サテライト」のキャスターへ抜擢、それを機にCS番組の出演や企業のIR活動のコンサルティングなど活躍の場を広げる。2000年に財部誠一事務所へ移籍、財部氏が主宰の経済政策シンクタンク「ハーベイロードジャパン」で経済ジャーナリストとして活動中。

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friday@bizdo.jp


 
 ■第11回
 アジアカップからみる中国・その2
 
 

 さて、今回の話題。今、好景気に沸く上海では、大変な海外旅行ブームです。中国の渡航規制が徐々に解禁され、旅行可能な国が増えてきているのが背景ですが、その旅行先として、日本が大人気だということなのです。

 取材した中国の旅行会社によると、1番の人気は東南アジアで、マレーシア、シンガポール、タイなどを回って料金は4000元(約6万円)。
 2番目が日本で、人気のコースは東京、大阪、京都。5泊6日でデラックスプランを選ぶと18000元(約27万円)。スタンダードプランは8000元(約12万円)だそうです。日本の旅行会社の上海ツアーは5、6万円ですから、とても高い値段といえるでしょう。安くて手ごろにいけるからという理由で東南アジアが選ばれるのとは逆で、日本は値段が高くても人気なのだそうです。家族旅行となると4人で保証金(不法滞在防止で日本旅行の際は必要だそうです。旅行代金のほぼ同額)を含めると用意するお金は100万円近くにもなります。そこそこの会社に勤めていれば上海人の夫婦の年収は10万元(150万円)ぐらいですので、3年、4年一生懸命に働いて、お金をためて、日本に旅行に来るといいいますから、ファミリーの大イベントなのです。

 「でも、日本旅行はそれだけの価値があります」と中国人の彼は言いきります。「日本が嫌いなはずじゃなかったの」と、アジアカップの報道を見ていたら、そう言いたくもなりますよね。でも、違うんです。

 こちらでは日本製=高品質、高級品ということで、日本の技術に対して絶対的な信頼があり、日本はあこがれ国だといいます。旅行者の楽しみはなにか聞くと、温泉、富士山、新幹線、ディズニーランド、銀座、秋葉原、化粧品、音楽、漫画、ゲームと出るわ、出るわ。「旅行を終えて、ほとんど人が満足したと言ってくれます。日本は自然も都市もあって、食べ物もおいしい。どこに行っても見るべきものがあるんです」と、その日本旅行担当の中国人は教えてくれました。今年に入ってその旅行会社では1813名の中国人旅行者を日本に送り出したそうです。たったひとつの中堅の旅行会社1社で月平均、230名ということですから、中国全体で考えると、大変な数の中国人が日本旅行を楽しんでいるのです。
 しかし、ここで、大きな問題があるということです。

 その旅行会社は「よい日本、よい旅行」というキャンペーンをやっているそうですが、不法滞在を恐ろしがって、日本は全然ビザがおりないということです。さらには彼らに身元調査のようなことをやれといって、不備があると、すぐ大使館に呼び出されるそうです。しかも、旅行代金以上の高額の保証金を預かるようにいうので、せっかくたくさん日本に行きたいという人がいるのに、手続きがあまりにも面倒で、多くの中国人が日本旅行をあきらめて、他の国に行ってしまうというのです。
 そう話す彼の横には、小泉総理がCMにも出演している「YO−KOSO JAPAN」(ようこそ日本)のキャンペーンポスターが貼ってありました。政府の意向と、入国管理局の考えが、全く食い違っていて、またまた間抜けですね。「観光旅行から不法滞在をする人なんてそうはいません。不法滞在ができる日本にも問題があるはず。そういう人間を雇う日本人がいる。それを止めればいい。働くことができないとわかれば日本には行かなくなるでしょう。

 公安(中国の警察)みたいなことを私達にやらせるのは違うと思うし、大変な手間がかかります」と、旅行会社の社長。
全くその通りですね。

 中国人の団体旅行を見かけると、もしかするとアジアカップのことを思い出し、快く思わない人たちもいるかもしれません。
 ですが、その人たちは、何年も働いてお金をためて、憧れの日本に来ている人たちです。北京で日本にブーイングをした人たちとは違います。どうか、そこを混同しないようにしてほしいものです。日本を訪れたことを後悔させないように、「ようこそ」という気持ちで迎えてあげたいものです。私も今、中国で親切にしてもらっています。

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