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講師紹介 |

内田裕子(うちだゆうこ)
1991年玉川大学卒業後、大和證券にトレーダーとして入社しエクイティマーケットの第一線で現場を経験する。95年に同社の社内TV放送である「大和サテライト」のキャスターへ抜擢、それを機にCS番組の出演や企業のIR活動のコンサルティングなど活躍の場を広げる。2000年に財部誠一事務所へ移籍、財部氏が主宰の経済政策シンクタンク「ハーベイロードジャパン」で経済ジャーナリストとして活動中。
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friday@bizdo.jp
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■第14回 |
郵政民営化、得をするのは誰? |
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しかし、経済財政諮問会議の方針は「民間企業と競争条件をそろえる」と言っているわけです。どこと競争条件を合わせているのやらさっぱりわかりません。民営化とはごくごく普通の会社にすることであって、つじつま合わせで、前例のないへんてこな会社をつくることではないのだと思うのです。
もちろん、資本主義社会において、官の独占事業が民営化されるということは疑問をはさむ余地がないくらいまっとうなことです。しかしそれは、国民にとってよりよいサービスになること、税金の無駄使いが止まることが必須条件です。しかし、道路公団の民営化を振り返ると、すったもんだの結果が「つくると決まっている道路はすべて税金でつくる」という最悪の結果になりました。それを見て、小泉改革における民営化イコール国益にかなう、ということでは必ずしもないのだということを国民の多くが感じたと思います。道路公団のままだったら、つくらずにすんだ採算性のない道路も、全部、税金でつくることになったのですから、道路公団民営化は最悪の結果となったわけです。
小泉首相の改革の動機はもっと個人的な思想信条にから来ている。
そう思われてもしかたがないくらい、結果に関して責任も、関心もなさすぎます。ですから、今度の郵貯民営化もそのような「のり」でやっていただいては困るな、と心配になるわけです。
さて、多くの人が「いいんだか、わるいんだか、判断がつかん!」と思っている今回の郵政事業民営化ですが、訳がわからない事に遭遇したときは、その結果、1番得をするのは誰なのかを考えると、謎がするすると解けていくことが往々にしてあります。
この郵政民営化で得をするのはいったい誰でしょうか?
この改革で声高に言われているのが「郵便局は民業を圧迫している」ということです。民業とは銀行、保険業、運送業です。銀行は郵貯の民営化の際には「イコールフッティング」だと、さんざん強調してきました。ようするに「郵貯の特別扱いはなしだ、民間の銀行と同じ苦しみを味わえ」ということです。それは貯金の政府保証撤廃であったり、法人税の納税であったり、預金保険機構への積み立てであったりです。それらを郵貯が優遇されているのが、気に入らないのです。
確かに、銀行の立場からするとそうでしょう。不公平極まりない。いまでも郵貯は特別待遇で民業を圧迫しているのに、民営化後もそれじゃあ、やってられないよ、という理屈は良くわかります。ですから、いずれは郵貯にも同じような義務が課せられていくでしょう。
しかし「民業の圧迫」という話にもどすと、銀行自身にも責任はあります。バブル期にデタラメな融資をして、そのつけで不良債権の処理で手一杯になり、顧客サービスの向上が全くなかったのも、金融危機まで起こして、取り付け騒ぎまで起こしたのも、すべて銀行の責任です。お金は安全なところへ逃げる。これがマーケットの常識。郵貯にお金が流れていったのも自業自得なのです。それを棚に上げて「民業の圧迫だ」と自分たちでいうのは、ちょっと説得力に欠けます。しかも、銀行にひどい目にあわされた人の話はよく聞きますが、郵便貯金でひどい目にあったという話は聞いたことがありません。やはり郵貯が優遇されているという理由だけでなく、銀行のサービスは顧客志向ではなかったことが、客に嫌われ、業績が伸び悩んでいた原因なのでしょう。
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