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講師紹介


内田裕子(うちだゆうこ)

1991年玉川大学卒業後、大和證券にトレーダーとして入社しエクイティマーケットの第一線で現場を経験する。95年に同社の社内TV放送である「大和サテライト」のキャスターへ抜擢、それを機にCS番組の出演や企業のIR活動のコンサルティングなど活躍の場を広げる。2000年に財部誠一事務所へ移籍、財部氏が主宰の経済政策シンクタンク「ハーベイロードジャパン」で経済ジャーナリストとして活動中。

【質問はこちらまで】
friday@bizdo.jp


 
 ■第17回
 なくならない金融不祥事
 
 

 さて、今回の話題。

 実は今回のUFJ銀行の重い処分内容はこのシティバンクの処分と関係があるというのです。金融庁内でも今回のUFJ銀行に対する処罰ははっきりと「強気派」と「弱気派」に分かれたようです。しかし、シティバンクに対して厳しく処罰したため、「ここで邦銀に対しても厳しくやらなければ示しがつかないだろう」という意見が「弱気派」を黙らせ、今回の流れが出来たと言われています。

 では、シティバンクのプライベートバンク部門はいったい何をやらかして、どんな処罰を受けたのでしょう。金融庁のホームページに掲載されている処分理由を簡単にまとめてみました。ポイントは赤字にしました。

  • 「株価操縦」で起訴された被告人たちへの「多額の資金貸出」、同被告人の依頼によって、地方公共団体から公的資金を引き出すための「見せ金融資」を実行
  • 海外支店において現地監督当局に疑わしい取引の届出が行われている者との取引の推進、「口座の不正開設」「マネー・ロンダリング」と疑われる取引を許す
  • 金融商品のリスクや重要事項の提示・説明を行わずに販売を行うなど「重要事項の説明義務に違反」
  • 「営業活動の監視体制が未構築」、健全で適切な業務の運営をするための実効性のある「社内規則が定められてない」
  • グループ証券会社、信託銀行といっしょに海外不動産等の媒介・海外生命保険の募集、美術品取引など、「銀行法違反の取引を多数行い、多額の違法収益」を上げていた
  • 客の「決算調整」に利用されるおそれのある不適切な取引を組成・実行した。不正を助長する「バックファイナンス」や、「会計操作目的・損失先送り」に利用される不適切な取引事例が多数認められた
  • 外貨預金の「為替差損の損失補てん」を理由に金銭を強要する取引者に組織的な対応を行わずに、内部管理の未整備の実態を熟知した支店長が、行内から盗み出した預金通知書を利用して、複数の預金者から外貨預金の代り金を、平成7年より約7年間に、18億円以上も詐取した事件が発覚していること
  • 業務の運営において、基本的・初歩的な営業対応等に関する顧客からの苦情や、顧客とのトラブルなどが減ることなく、適宜・適切な対応が行われていない例が多数認められた

すごいですね。金融不祥事のデパートのように、ひと通りそろいましたね。

 「シティバンク」といえば、本社はニューヨークにあって、いかにも洗練されているイメージですね。店舗のモダンでおしゃれ。手数料0円を日本に持ち込んだのもこのシティバンクですから、いかにもプロフェッショナルで顧客重視かと思いきや、ひと昔前の証券会社みたいなことを未だにやっていて、正直、驚いてしまいました。

 今は、バブルの後遺症もあって日本の金融機関は投資家保護というか、自己保身として、とにかくリスクの説明を丁寧に行うようになりました。「価格変動リスク」だ「為替リスク」だ「カントリーリスク」だと簡単に説明し、あとはとにかく「目論見書」を読んでねと、「私はちゃんと言ったからね」的なリスクヘッジをしています。「証券マン=鬼の営業」などというのは、日本昔ばなしのようになっていますね。インターネットの株取引も「リスクがあることを承諾します」のアイコンをクリックしないことには取引画面にすら行けない仕組みになっています。

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