もちろん高木社長に与えられた時間は3年間ありました。全ては無理でも、将来の復活を確信させるものをなにひとつ築けなかったというのは高木社長の力不足でしょう。1兆3000億円という有利子負債の額が大きすぎたのも原因ではありますが、再建が出来なかった本当の理由はもっと根本的な所にあります。
それはスーパーマーケットというビジネスモデルがもう過去のものになってしまったからです。
食料品で客を集めて、衣料品部門で儲ける、定期的に大安売りをして、お客さんを集める。というのが典型的なスーパーのビジネスモデルでした。衣料品の利益率は高いので、食品で利益がトントンなのを、衣料品でカバーしていたわけですね。しかし、今はアオキ、青山などの安売り紳士服、ユニクロ、GAPなどのハイセンスな低価格のカジュアルブランドの出現により、スーパーの衣料品は見向きもされなくなりました。雑貨売り場のお客さんは100円SHOPに取られ、日用品のお客さんはマツモトキヨシのようなドラックストアにとられてしまいました。
そうなると、時代の流れに合わせて食品専業のスーパーに転換しなければいけないのに、あまりに取引企業とのつながりが多いため、社会的な影響もあり、転換しきれませんでした。そうこうしているうちに、高級食材のスーパーが台頭してきました。安くてまずいものはもう誰も買わず、高くっても美味しいものを買い求めるようになったのです。豊かになった日本人は、もう、ダイエーを始めとする、スーパーマーケットでは買い物をする豊かさや喜びを感じることが出来なくなってしまったのです。
でも、ダイエーの再生機構入りを決定付けてしまった8月中間決算を見ると、自力で最後に出した経常利益は62億8500万円、前期比22.4%増と増益なのです。意外だと思っている人も多いと思います。ダイエーは莫大な借金は抱えていますが、事業は黒字なのです。がんばっていましたね。
「時間が足りなかった、間に合わなかった…」
15日に東京証券取引所で行なわれた高木社長の会見での発言です。
借りたお金は返す。これが崩れたら資本主義社会は成り立ちません。基本中の基本だと思います。
ですが、ようやくここまで来たのだからもう少しやらせてあげてもよかったのでは!
と思うのは私だけではないと思います。
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