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常識的な考えで言えば、500 万円では資金的に不足しているのだから、残りは金融機関からの借入れなどで資金調達を図るということになるが、これでは常識範囲の月並みなビジネスモデルしか立ち上がらない。そして、月並みの新規店が生き残れる程に流通小売業界は甘くはないというのが現状だ。
常識破り・非常識であって大いに結構ではないか、常識と思われていることに知恵と汗を搾ることこそが「経営」だと考えるべきという一言からスタートを切った。
どう考えても店舗を構えることは難しい、場合によっては自宅ショップという工夫も必要となる。しかし、何よりも問題なのは、資金の制約で商品点数が限られてしまうことである。こうしたファンシー系の商品は、お客からすればセレクトすることに大きな楽しみがある。それが貧弱な商品点数ではまるでつまらないものになってしまう。
開業資金の全てをつぎ込んでも、12坪程度の店の品揃えにしかならない。出店を考えている地域内には、50坪を超える競合である同業種店が存在している。これでは勝敗の行方はおのずと予想され、勝負も何もあったものではない。
弱者の戦略の基本は、強者と競合しないことであることは前号でも触れた。
競合を避ける、競合に勝利するためには!
(1)強者の取りこぼした隙間、すなわちニッチを狙う
(2)
強者の品揃えを分断し、そこに力を集中するといった市場細分化による相対的な強化を果たす
(3)競争・競合の次元をずらす
以上の三つが考えられる。
今回のケースでは(1)の「強者の取りこぼした隙間、すなわちニッチを狙う」とは言っても「ヌイグルミショップをしたい」という決まった思いがあったので、ニッチを見つけても、それが起業者が望むビジネス形態に合っていないので意味はない。
(2)の「強者の品揃えを分断し、そこに力を集中するといった市場細分化による相対的な強化を果たす」といった戦略も競合相手のヌイグルミコーナーが充実しており、かつ大規模であり、そこに絞り込んでの優位性確保は難しい。
残されているのは(3)の「競争・競合の次元をずらす」といった手しか残されてはいない。 この次元をずらすことで、位相差を発揮することで差別化を明確にするといった戦略は実のところ一般的な経営書を探しても見つけられない。しかし、実は「競争次元をずらす」戦略こそが、低コスト開業を成功させる最も有効な手法である。
こうした視点に立って、開業する当事者と、その支援者である夫とコンサルタントのプロジェクトチームによるビジネスモデル構築がスタートした。
次回では「競争次元の変位戦略」の実例をもとに、小資本開業成功のポイントについて解説する。
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