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講師紹介


大木ヒロシ(おおきひろし)

ジャイロ流通研究所・所長。「商業界」「ファッション販売」などで執筆多数。現場取材を中心にした講演は具体性が高く、実効性が高い。講演回数は年間150回を超える超人気コンサルタント。大手企業から中小商店までの数多い成功事例を持つ。日本商業コンサルタント協会専務理事。

【質問はこちらまで】
monday@bizdo.jp


 

 ■第20回

 起業の実態「小資金開業の成功・4」
 
 

(1/2)

【 小資本開業だからこそブランド化が不可欠 】

 若い女性の多くはヌイグルミに対して少なからずニーズを持っている。そして、彼女たちのウォンツの中に「恋愛成就」は大きなウェートを占めている。それらを考慮してオリジナル商品のアイデアとして「ピンクのうさぎ」が生まれたのである。

 しかし、「ピンクのうさぎ」という商品をそのまま市場に出したからといって、売れる保障は全くない。むしろ、ピンク色のありきたりのウサギのヌイグルミに過ぎず、それは一般的なヌイグルミの持つ付加価値を超えるものでもなければ、弱者の戦略として最も有効な「差別化」を発揮することもない。

 商品の付加価値の多くは、「ウンチク」とか、その商品に絡む「物語=ストーリー」といった商品のフリンジ(襟ぐり=周縁)にある。

 フリンジとは要するに、人を丸裸にしてしまえば誰でもさして差はないが、人にはその人なりの固有の人生(物語)や、そこから生じる権威や人間関係といったものが背後にあり、それがその人なりの魅力を形成しているということである。

 「ピンクのうさぎ」は風水でいう恋愛成就のピンク色と、恋のラッキーアニマルとしてのウサギというウンチクめいたものはあるが、それだけでは弱い。

 ブランド価値の中には、歴史的といった付加価値が高位を占めているケースが少なくない。「伝統の技が息づく」などと訴えた商品などには、私も結構弱いところがある。

 歴史に代わる付加価値を形成しようとすれば、それはストーリー(物語)ではなかろうか。ブランド価値とは、マーケットシェアやクオリティーといった即物的価値と、ヒストリー&ストーリーといったソフト的な価値との合成によって決まるのである。

 たかが主婦の副業的なショップにそこまで考えることもないかも知れないが、高級ブランドとして世界を席巻した感のあるシャネルであっても、ココ・シャネルという一人の女性の思いと歴史が生んだことは忘れてはなるまい。

 小資本開業だからこそ、ブランド的価値の創造とそれによる差別化発揮が不可欠なのである。
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