ビジネスお役立ち資格集
 事務職系、営業・販売系、クリエイティブ系、スペシャリスト系、その他

各種ビジネスマナー集
 入門者から上級者まで

各種ビジネス文例集
 すぐに使える例文が150以上!

ビジネスキーワード集
 経営戦略、組織、人事、社会、経済など

リンクについて

●QuickTimeの基本設定について





ちず丸へGO!






 

 




 
講師紹介


内田裕子(うちだゆうこ)

玉川大学で演劇を専攻。卒業後、大和証券に入社。トレーダーとして、エクイティマーケットの第一線で現場を経験。その後、同社の社内TV放送「大和サテライト」のキャスターに抜擢され、広報部へ異動。マーケット情報番組や経営者との対談番組等へ多く出演する。その後、大和インベスターリレーションズで企業IRのコンサルティングを行う。
2000年、財部誠一事務所へ移籍。経済ジャーナリストとしての活動を始める。現在は単行本、雑誌、メルマガ等に精力的に寄稿しながら、TV、ラジオ、講演会でも活躍中。

【質問はこちらまで】


 
 ■第1回
 なぜ原油高でも日本は大丈夫なのか
 
 

(1/2)

 原油高が止まりません。

 原油価格は昨年1年間で2倍になるという異常な値上がりをみせました。1バレル=70ドル!昨日は72ドルをつけました。それを受けて石油関連の会社の株も急騰しています。

 私たちは毎日、なんらかの形で石油を使用しているにもかかわらず、生活の中で石油価格を変化を実感することはほとんどありません。なかには「ティッシュペーパーが値上がりしたら困るぅ〜」などという人もいるかもしれませんが、原油を取りまく状況はかなり深刻です。でも、なぜ今、原油高なのか。なぜ原油価格は高止まりしているのか。にもかかわらず、なぜ原油高でも日本はのんびりしていられるのでしょうか。今日はこの疑問について考えてみます。

 そもそも原油価格はどのように決まるのでしょうか。じつは原油の価格はアメリカのガソリン価格と密接な関係にあります。アメリカは昔からガソリンをがぶ飲みする国として知られていますが、なんといまやアメリカは自前でガソリンをすべてまかなえなくなってしまいました。なんといまアメリカのガソリン自給率は7割しかないのです。残りの3割は外国から輸入しなければならないありさまです(もっともわが国はすべて輸入に頼っているわけで、米国の悪口を言っている場合ではありませんが…)。欲しいものはなにがなんでも手に入れる。それがアメリカです。ましてやガソリンが不足したら国がとまってしまうアメリカです。原油を手に入れるためには手段を選ばないという態度がアメリカの正義になってしまいました。

 もっとも、世界がアメリカの好き勝手を腕を組んで見ていたわけではありません。中東の石油利権をめぐって欧州勢との政治的な駆け引きが露骨になってきました。アメリカのイラク侵攻はまさにこうした危機感がその背景になっているのです。しかしご存知の通り、いまやイラクは内戦状態に陥り、アメリカのシナリオは完全に行き詰っています。イラクからの原油の供給量は激減し、世界の原油需給は大きく崩れました。これだけでも石油価格が上昇するに十分なのに、そこにもってきてイランの核開発問題が勃発しました。これでさらに石油市場は混乱をきたしているというわけです。

 その混乱にさらに拍車をかける国がでてきました。中国です。なんと中国はアメリカと関係が悪い国を狙い撃ちして、それこそ採算度外視、なりふりかまわず油田を押さえにかかったのです。アフリカ・ナイジェリアでは石油利権をめぐって国内で争いが起きたり、南米・ボリビアが石油資源の国有化を表明したり。中国の参戦により、地球上で石油利権の奪いあいが起こり、その結果として原油価格が急騰している――というのが、一般的な理解なのです。ところが、いや、そんなことはないという人がでてきました。現在の石油価格の高騰は「需給の問題を超えている」と、三井物産戦略研究所の寺島実郎氏はいいます。

 「需要側の要素としてBRICsの需要拡大、中東の地政学的不安という供給側の要素という理由を専門家はあげますが、実は、十分過ぎるほどの供給力があります。今や、ロシアがダントツのエネルギー化石燃料国になっていまする。北海原油も我々が思っている以上に出ています」

 なんと石油は足りているというのです! では、なにが原油価格を押し上げているのか? 寺島氏は問題の本質は「マネーゲームだ」と断言しています。

 「冷戦が終わってから、投機的な要素の顕在化というのがエネルギー価格を左右する要素となりました。WTIがニューヨーク商品先物市場に上場されて、オンライントレードにより短期資金が物凄い勢いでコンピューターの中を駆け巡って、デリバティブという大きな市場が広がりました。石油価格は、需要と供給で価格が決まるのではなくて、マネーゲームの対象として投機的な資金が市場に流れこむことによって、乱高下するようになりました。WTIはニューヨーク先物市場で、1日に2.5〜3億バレルの取引がなされていますが、実際、世界の石油供給国を全部かき集めても、8500万バレルにしかならないという事実がそれを物語っています」

 たしかに、中国やインドの成長は今後続いていくのは事実だし、石油の需要が拡大していくことは間違いないのですが、現在の石油価格はこうした実需の変化とは無関係に、異常な動きをしていることは間違いありません。マネーゲーム、これこそが、今回の原油急騰の原因なのです。

次のページへ

写真撮影/内田裕子

 



掲載の記事・写真・イラストなどの全てのコンテンツの無断複写・転載を禁じます。
Copyright 2006 Global-eye Co.,Ltd all rights reserved.