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その異常な空気は、私のような短期滞在者にも容易に感じることができた。
2001年から毎年2回は訪れてきたこの街だが、最初はその拝金主義からくるテンションの高さに圧倒されて、下品だ、と、気持ちがかなり引いた。
しかし何度目からだろうか、この街のもっているわかりやすさ、単純さはとても健全なものに思えるようになった。
当時、日本経済は真っ暗闇の中。期待したITもあっという間に大量の在庫を抱えて沈没し、何を見ても何を聞いても悲観論しか聞こえてこなかった。終わらない不良債権処理、止まらないデフレ。中国は日本が憂鬱になるそのデフレを促したので、脅威論しか聞こえなかった。暗い、暗すぎる。もっと前向きな議論はないのか。日本は閉塞感で身動きがとれなくなっていた。
でも、飛行機で2時間半飛ぶと別世界があった。急速に上昇する生活レベルに喜びが抑えきれない上海の姿があった。爆発的な消費意欲に突き動かされている人々を見た外国人は「これだ」と誰もが思ったはずだ。
高度経済成長。教科書の中でしか見る事がなかった現象がそこにあった。そして、自分がまさにその真っ只中にいて、それを見ていることをはっきりと認識できた。
「ぼーっとしている場合ではないんだ」
そんな強烈な覚醒感を他の都市で体験したことはなかった。それが私にとっての「上海」という街だった。
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