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講師紹介


内田裕子(うちだゆうこ)

玉川大学で演劇を専攻。卒業後、大和証券に入社。トレーダーとして、エクイティマーケットの第一線で現場を経験。その後、同社の社内TV放送「大和サテライト」のキャスターに抜擢され、広報部へ異動。マーケット情報番組や経営者との対談番組等へ多く出演する。その後、大和インベスターリレーションズで企業IRのコンサルティングを行う。
2000年、財部誠一事務所へ移籍。経済ジャーナリストとしての活動を始める。現在は単行本、雑誌、メルマガ等に精力的に寄稿しながら、TV、ラジオ、講演会でも活躍中。

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  ■第6回  上海取材レポート その2:情実融資が基本!中国の金融事情  
 

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そういう状況の中で、上海視察ツアー初日の朝、復旦大学経済学院教授の陳建安氏の話を聞いた。陳氏は政府の政策立案に関わっている学者だ。その日の午後も北京に飛んで所得格差是正ついて提言をする予定になっていたが、その出発前の時間に中国経済の抱える問題について講義をしてくれた。中でも不良債権と所得格差の話は、なまなましい中国の実情を含んだ話で面白かった。
「国有商業銀行の不良債権比率は9.8%。ピーク時は23%くらいだったから、それに比べるとだいぶ下がりました。問題なのは国有企業の経営不振。合併、買収、民営化などいろんな対策をとっていますが、国有企業の経営はまだ十分に改善されていません。それによってどんどん新しい不良債権がでてきているのですが、これはまだ表面化していません」
実際、国有企業の6割が赤字だというから驚くが、もっと驚くのはそのような経営不振の国有会社への融資が継続しておこなわれているという実態だ。
「国有企業へ融資をさせるために、中央政府が担保を出すのです。政府が工商銀行に、ある国有企業に融資してくれと命令する。銀行はいやとはいえず融資は実行されます。当然審査などありませんし、担保価値もどれくらいあるのか公表されません。日本では考えられませんが、中国ではこのように赤字の国有企業が維持される仕組みがあるのです。それが新しい不良債権を生み出しているんです」
 中国共産党にとって国有企業の雇用を守るというのは最優先事項。社会主義国家なので、国有企業への融資は当然のことと、資本主義の世界とはまったく違う論理で動いているのでこれは評価が難しい。先述したように解決すべき6つの問題を同時に抱えている今、お金の流れを急に止めてしまうことはできないという事情も透けて見える。
また構造的な問題もある。過去の日本と同じで資金調達は銀行の融資が95%。市場からの調達はわずか5%程度だという。このようにすべての融資リスクが銀行に集中している点は大きい。そういった言い訳はいくつもあげられるのだろうが、さすがに政府もいつまでもそうした情実融資を中心とした銀行経営が続けられるとも考えていないようだ。

 

 

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