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講師紹介


内田裕子(うちだゆうこ)

玉川大学で演劇を専攻。卒業後、大和証券に入社。トレーダーとして、エクイティマーケットの第一線で現場を経験。その後、同社の社内TV放送「大和サテライト」のキャスターに抜擢され、広報部へ異動。マーケット情報番組や経営者との対談番組等へ多く出演する。その後、大和インベスターリレーションズで企業IRのコンサルティングを行う。
2000年、財部誠一事務所へ移籍。経済ジャーナリストとしての活動を始める。現在は単行本、雑誌、メルマガ等に精力的に寄稿しながら、TV、ラジオ、講演会でも活躍中。

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  ■第7回  上海取材レポート その3:華僑ホットマネーの謎  
 

(1/4)

 通貨切り上げ、貿易摩擦、生産過剰、不動産バブル、所得格差、不良債権。
 前回は中国が今、抱える6つの問題について書いた(詳しくは上海レポートその2)。なかでも中国の不良債権問題は深刻だ。
 なぜか。
 冷静に考えてみて欲しい。銀行の不良債権問題というのは、バブルが崩壊した後に出てくるというのが常識。「中国は完全にバブルだ」という人はたくさんいるが、「中国のバブルは弾けた」という話はまだない。そう、まだ中国のバブルは弾けていないのだ。にもかかわらず、もう不良債権問題が大きな話題になっているというのは、考えれば考えるほど、実はおかしな話なのである。
 つまり中国は高度経済成長の真っ最中に、巨額の不良債権を抱えているという摩訶不思議な状況に陥っているのだ。この国を理解するのは簡単ではない。先進国を基準に、短絡的に良い悪いを評価をすること自体が間違いなのだ。中国共産党は馬鹿ではない。馬鹿どころかものすごく賢い集団である。侮ってはいけない。中国は中国基準で、独自のシステムをつくりあげており、それに応じた評価をしなければ中国を理解することはできない。
 陳氏が面白い数字をあげていた。
「雇用を確保し、国民の不満を爆発させないために、中国は6%〜9%の間で経済成長を維持しなければなりません。6%以下になったら失業者があふれて暴動が起こるし、9%以上になるとインフレ、貿易摩擦などさまざまな問題が深刻になります」

 経済の成長を促しつつ頭を抑えながら13億人を統制していく。これはどう見ても至難の業だ。社会主義と市場経済のおいしいとこ取りなんて、そんな勝手なことをしている国は中国のほかにはないのだから当然お手本もない。暗中模索だがここでやり方を間違えると大変なことになる。経済クラッシュで国はなくならないが、国民の不満や怒りはあっという間に一国を滅ぼす。これは歴史が証明している。だから今の中国共産党にとっては、国民の雇用を守って、13億人を食べさせる事こそが、間違いなく最重要課題なのだ。それには赤字国有企業を存続させ、農民へ補助金をばらまくことはやむを得ない。(こう書いているうちに、日本も同じだ、と気がついた)問題はいつまでそれを続けるのか、だ。

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写真撮影/内田裕子

 



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