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今回は上海レポートその3からの続きです。
「農民の所得が増えなければ、中国の内需拡大はとても無理です」
陳氏は言い切った。
中国では12億人の人口のうち、3人に1人が農民だという。つまり4億人強が農民ということだ。
4億人。
世界の人口は現在65億人。そうすると、地球に住む人間の約16人に1人が中国人の農民、ということになる。
・・・・・。
凄まじい数字でなかなかイメージが沸かないと思うが、とにかく、中国の最大のウィークポイントが「農村」にあるということがわかってきた。格差問題だ。沿岸部と農村部の所得格差の話はもう聞き飽きたかもしれない。しかし、この問題こそが中国の将来を決めることになりそうだから、やはり目が離せない。
現在、問題となっている中国の所得格差とはどの程度のものか。
ジェトロの藪中氏が今回の講義で使用した資料の中に「都市と農村の1人当たり所得の推移」というグラフがあった。それによると1980年ころは、都市住民も農村住民の所得に大差はなく、共に年間所得は300元以下だった。ところが90年代後半あたりから様子が変わる。沿岸都市部に住む住民の所得は急伸し、2004年には9500元近くまで上昇している。一方、内陸部に住む農民の所得は2004年にようやく3000元に達した。ここだけ見ると「ずいぶん所得格差が生まれ、農民はさぞ不満を抱いているにちがいない」という理解となる。
たしかに、14万円と4万5千円(1元=15円で計算)では差は大きい。この差は中国現代史上で最悪のとされている。しかし、ここでのすくいは所得拡大の伸び率の差こそあるが、農村の所得も右肩上がりで増え続けているというところだ。
上海レポートその1で、上海の人気観光スポット、外灘に集まる地方の中国人観光客を見ても数年前とは様変わりしたということを書いた。少し前までは、お世辞にもきれいとは言えないような衣装を身につけ、いかにも貧しいというふぜいの人を多く見かけた。そういう人たちは、いかにも田舎から出てきましたという顔つきだったので、さらにわかりやすかった。しかし、今回あらためて外灘に行き、辺りを見回してみると変化があった。おのぼりさんの身なりがずいぶん小奇麗になっていたし、地べたに座り込んで休んでいる人もかなり減ったように思う。こういった風景の変化からも、内陸部にも多少なりともお金が流れているのかな、と感じる事ができた。
「その国の経済はその国の景色に現れる」と上海レポートその2にも書いたが、ここ外灘は中国経済の定点観測のポイントとして相応しい場所だろう。この場所で観光客相手に記念写真を撮って商売をしている人たちが大勢いるが、そのネガ(今はデータか)を古い順に並べたら、かなり面白い資料ができあがるに違いない。中国人の服装、持ち物、顔つきの変化はもちろん、撮影の背景となっている高層ビル街・浦東の景色もどんどん変っているはずだ。
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写真撮影/内田裕子
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