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長期投資、短期投資というのは、いったいどちらがいいのか。それは多くの投資家が迷うところだ。それぞれのメリット、デメリットがあるのだろう、と感じる。澤上氏には、その両者をどのように考えれいいのか伺ったら、即答だった。
「そんなものは好きにやればいい。自分はこうやるよ、とそれだけだよ」と涼しい顔をしてさらりとひとこと。長期投資を標榜する澤上氏だけに、その優位性を語るのかと思いきや、まったくもって力が入っていない。しょっぱなから調子が狂ってきた。澤上氏はさらに、続ける。
「市場にはいろいろな人が入ってくる。それだけ魅力があるから。魔力といってもいい。いろんな人が思いを持ったり、欲を持ったり。ばったんばったん売ったり買ったり。でもそのほうがかえって面白いじゃない。市場ってそういうものだ。こうでなきゃいかんとか、これが正しいとか、これがいいとかはないんだよ」
笑みの絶えない表情、余裕いっぱいの言葉の裏側に、運用に対して明確な答えをもっているということが伝わってくる。そこをどうしても聞きたかったので、投資で大切な事はなにかと聞いてみた。
「投資は安く買って高く売る。それだけでしょ。それには長期も短期もない。短期だろうが長期だろうが、どかん、と安くなったところで買えるかどうか。でもね、実際そこで買える人ってそういない。だって安いときって怖いから。どこまで下がるか分からないから。うちはまったく問題ない。みんな一番嫌がる時にどーんと買えるんだよね。」
どうしてそれができるかわかるか?と澤上氏に聞かれたので、それは、割安の水準をきちんと持っているからですか、と答えたら、澤上氏は笑って答えた。
「違う、違う、割安だなんて言っている人ほど買えないよ。割安って言うのは、何かを基準に計算するわけだよね?暴落している時はその計算の根拠がガタガタに崩れている。業績の急悪化だとか、マイナス成長だとか、そうすると、計算の根拠はどんどん下がっていく、計算すればするほど買えなくなる。ファンダメンタルと言っている人も同じ」
計算では株は買えない、と澤上氏は言う。では、澤上ファンドはなにを基準に株を買っているのか。
「どーんと下がっている時は、支えなきゃしかたないから。僕たちは大きなお金でね、ちょっとづつでも下を支える要因になればいいなという気持ちでやっている。それだから買える。もちろん支えきれるなんて思っていない。でもね、そういう気持ちでさわかみファンドを運用してる」
これは資本家の視点だ。世の中にお金が流れることで経済は発展拡大する。お金が滞れば景気は低迷する。よりよい社会を構築するためにお金を循環させる。長期投資家は不景気のとき、市場が暴落して、社会にとって大切な企業の株が下がっているとき、お金を投じて景気を下支えするというのだ。市場で売られる株を、買ってあげればキャッシュができる、そうしたらそのお金は新しい投資に向かう。それでいいじゃない。と嬉しそうに話す。
そして、意志だ。なんのために投資をしているのか、何のために運用をしているのか、明確な理念をもとに売買をしているから、みんなが売っている時、世の中になくてはならない、社会に必要な会社は売られていたら、自分達が買い支える。例えば自分の大親友が困っていたら助ける。これはあたりまえだが、その感覚でさわかみファンドは投資の判断をしている。だからまったく迷いがない。
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