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「弊社の運用哲学はいたってシンプルです。10年後、20年後、社会がその会社を必要とするか、否か。これが最大の投資判断です」
さわかみファンドの運用責任者、澤上龍氏はさわやかに言い切る。さわかみファンドはポートフォリオの93.6%を日本株で運用している。現物だけで、先物はいっさいやらない。そして月に2回、ファンドの運用報告を開示している。さわかみ投信のサイトに目論見書も出ているので、どんな銘柄で運用されているのか詳しく見ることができる。ファンドについての問い合わせには丁寧に答える。顧客からの信頼に応えるために、情報開示は徹底している。とにかくわかりやすい。
「目先の上がる、上がらないはどうでもいいのです。例えば、5年先まで結果が出なくても全然関係ない。未来の社会にとって必要な会社かどうか、これだけです」
なるほど、さわかみファンドの理念だ。しかし、ここで重要になるのは、その未来の描き方だ。さわかみファンドが想定する未来がまったく的外れなものだったら、企業選びも間違ってしまう。さわかみファンドでは、20年も30年も先の世界をどのように描いているのか。
「例えば、人は20年後も食事をします。まずはそれだけで十分投資判断になります。そのとき我々はどんなものを食べていたいか。やはり肉でも魚でも野菜でも新鮮なものが食べたいでしょう。そういう観点から絞ると、食品の新鮮さを保つ技術を開発している会社はどこか、となる。さらには、その技術は冷凍技術なのか、べつの保存方法なのか、と、考え方がどんどん枝別れして行くんです。そのように想像して、たどっていくと答えが見えてくる。では、『エネルギー』ではどうか。もう原油に依存できないから、次は何が来るのか考える。10年後20年後にはどんな社会になっているのか想像する。そうするといくつか壁にぶち当たります。 例えば、太陽光発電はすごいけどコストが高い。でも、新しい素材が出たら、克服できる。その新しい素材を開発できそうなのはどこかと考えると素材メーカーや化学メーカーなど、まったく違う業種の会社が出てくる。あの技術とこっちの技術を組み合わせると、こうなるんじゃないかと、勝手に想像して選んでいきます」
さわかみファンドでは、そうした未来のストーリーを10名のアナリストチームが個々の頭の中で考え抜き、週に2回、会議で発表される。それにイエス、ノー、見送りとジャッジしていくのが澤上氏だ。
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写真撮影/内田裕子
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