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講師紹介


内田裕子(うちだゆうこ)

玉川大学で演劇を専攻。卒業後、大和証券に入社。トレーダーとして、エクイティマーケットの第一線で現場を経験。その後、同社の社内TV放送「大和サテライト」のキャスターに抜擢され、広報部へ異動。マーケット情報番組や経営者との対談番組等へ多く出演する。その後、大和インベスターリレーションズで企業IRのコンサルティングを行う。
2000年、財部誠一事務所へ移籍。経済ジャーナリストとしての活動を始める。現在は単行本、雑誌、メルマガ等に精力的に寄稿しながら、TV、ラジオ、講演会でも活躍中。

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  ■第20回 バンコクレポート その1:プロローグ  
 

(2/2)

 日本企業のグローバル展開を取材し始めて、今年で6年になる。今年はインド、ロシア、中国、タイ。再来週にオーストラリアへ行って、終了となるが、振り返ると、まあとにかく世界中で日本企業はがんばっている。発展途上の国で、ものづくりをリードしている姿は素直に感動する。外国のまったく違うカルチャーの中に飛び込んで、辛抱強くものづくり“カイゼン”のなんたるかを伝道する。地域に雇用を創出し、金銭的にも文化的にも生活を豊かにしている。本当にたいしたものだと思う。

 私はこういう場面を見るたびに、多くの日本人にも同じものを見せたい、と強く感じる。日本にいると民族のDNAを感じることが少ない。感じるどころか、そんなものがあるということすら認識していない日本人が多いように思える。でも、海外に取材に出て行くと、本当に日本というものを感じる。日本人にしかできないことって、本当にあるな、と感じるのだ。日本人はとにかくよく物事を考える。そして辛抱強い。そしてなかなかあきらめない。外国で日本企業を取材すると、そういった民族の良質な部分がよく見えてくるから面白い。しかし、「○○○で行く! 感動“Brics”周遊、日本企業見学10泊11日の旅!」なーんていうツアーはなかなか見当たらない。これは残念だ。だからせめて私が見たもの、聞いたものは、多くの人に伝えていきたいと思っている。

 さて、タイ、バンコクといえば「渋滞」。
旅行であの街に行ったことがある人は「そうそう、あれはひどいよね」とうなずいてくれるに違いない。たまたま友人のアナリストが工場見学でバンコクに来ていて、偶然ホテルで会ったのだが「渋滞で6時からの夕食会が8時になっちゃったよ、しかも途中、車を降ろされて道路を歩かされたよ!」と苦笑いしていました。その話を取材先のTISの方にしたら、「ああ、そういうことはバンコクでは普通なんですよ。そもそも夕食会が6時からっていうのが仕切りが悪いかも」とのこと。普段、15分でいけるところも、1時間半かかるということもよくあることだそうだ。「これじゃあ、予定もたてられませんね」というと、「タイの人はおおらかなので」という。そう言われてみると、これだけの交通渋滞の中でクラクションの音がまったく聞こえないことに気がつく。政府としてもこの凄まじい渋滞を解消しようという動きは特にないという。この渋滞が解消されれば、この街の生産効率はいったい何倍になるのだろうか、などと考えるが、ここの人たちにとってそんなことはどうでもよいようだ。
  “微笑みの国タイ”というが、本当におおらか。街中みわたすと皆、のんびりとしているように見える。実際タイ人と接すると本当に親切。きょろきょろしていると、どうしたんだ、と心配してくれるし、文字通り、本当ににこにこしている。いつでも、どこでも両手を合わせて「サワデイ・カップ!」(こんにちは、おはようございます、さようなら、と何でも使える、万能語)。タイ人を介護士、看護士として日本に迎えようという動きがあるが、なるほどよくわかる。そんな、バンコクのあちこちに昔の日本ってこうだったんだろうな、感じるところが多々ある。優しい気持ちにも、切ない気持ちにもさせてくれる街、である。

 

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