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話をピックアップトラックに戻そう。このピックアップトラック6割という不思議なマーケットをいちから育てたのが、いすゞと三菱商事のコンビネーションだ。あのトヨタを押さえてシェアNO1の座を維持し続けているのだが、ここに至るまでには、地道なまでのファン作りの努力があった。
その象徴といえるのが、“いすゞショー”だ。タイで“いすゞショー”を知らない人はまずいない。これはただの販促イベントではない。タイの国民的行事といってもいいくらい、タイの人々に愛され、故郷のお祭り的存在にまでなっているのだ。
カンボジア国境に近い、タイ東北部のウボンという地方都市で開かれた“いすゞショー”を取材した。このショーは各地域のディーラーが主体となって開催し、TISがバックアップしている。朝から、夜遅くまで、一日中行なわれるイベントだが、とにかく子供が喜ぶような出しものばかりがそろっている。子供が退屈しなければ親は帰らない。それで親を引き止め契約につなげようという戦略がまずある。
お絵かき大会あり、ダンスコンテストあり、D−MAXといういすゞのピックアップトラックが商品になったゲームあり、会場のあちこちで歓声が上がる。無料の屋台が軒を連ねて、おやつも食べられる。この日、この会場に集まった観客は1万人を越え、85人の客がピックアップトラックの契約書にサインした。ハイライトは日が暮れてから行われるコンサートで、タイで絶大な人気を誇る女性歌手と男性ボーカルのロックバンドが舞台にあがると会場は熱狂し、舞台の回りに子供たちは走り寄る。娯楽施設などまったくないタイの田舎で、TVでおなじみのスターを間近で見られるのだから、興奮するのも当然だ。最後は花火があがって、スターと記念写真も撮れるという、至れり尽くせりのお祭りだ。
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