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個人投資家が株式市場で、このようなアナリストを多く抱える機関投資家を打ち負かすのは、決して容易ではない。例えば、個人投資家の間では、機関投資家は企業分析のみならず、マーケット内で短期間に起こっていることでさえ、何でも知っている、と思われているふしがあるが、たしかにそれは大きく間違っていない。実際、彼らの情報網は幅広い。大手機関投資家なら自社グループ内のトレーダーや上述したアナリストのネットワークがあるし、取引のある証券会社から瞬時に情報を得ることもできる。ヘッジファンドなどの小回りの効く投資主体であれば、その情報を得た瞬間に売り買いの判断を下して、行動に移すことも可能だ。このようなマーケットの情報を得る「スピード」はどうやっても個人投資家が勝てないところだ。インターネットの普及、企業の情報開示も進み、情報量、情報の質という点においては個人投資家も機関投資家とほぼ同じものを得ることができるようになった。しかし、この「スピード」に関してはどうやっても個人は負ける。一日の大半を情報端末や電話の前で過ごす機関投資家に勝てるはずもないし、そもそも向こうはそれを生業としているプロだ。
「しかし、個人投資家が相場でまったく勝てないかというとそんなことはない」と独立系ファンド、ありがとう投信(株)社長でファンドマネージャーでもある村山甲三郎氏はファンドマネージャーの弱点を3点挙げた。
(1)ファンドマネージャーは3ヵ月ごとに投資家に運用成績を報告しなければいけない。したがって一定の期間運用したら利益を確定しなければいけないため、売却したくない銘柄も売却せざる得ないときもある。
(2)
運用しているファンドがインデックス(日経225、TOPIX)のパフォーマンスに勝つか負けるかが評価の基準になっている。長期に渡って安定した運用成績を出していても、インデックスの動きにある程度ついていけないと、相場が急騰した時には、「負け」と判断される。そういう場合には売りたくない銘柄を売り、できたキャッシュで買いたくもない銘柄を買わざる得ない状況におかれる場合がある。
(3)会社組織であるから、運用最高責任者CIO(Chief Investment Officer)からのプレッシャーもあり、ファンドマネージャーの思うような運用をさせてもらえない。
なるほど、以上のような投資に際しての縛りは、幸運なことに個人投資家にはない。したがって個人投資家は好きな銘柄を、好きなだけ、誰からの干渉もなくいつまでも保有することができる。個人投資家は自由である。これこそが個人投資家の武器なのだ。ここを意識して、この強みを存分に利用するべきなのであろう。
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