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そのようにいいかげんだった投資信託界に新しい風を吹き込んだのが、藤沢久美氏だった。アイフィス立ち上げ当時の96年には、投資信託の運用成績を一括して閲覧できるところなどどこにも存在しなかった。ましてやそれを評価するなんていう発想もまったくなかった。そこに藤沢氏は目をつけた。
外資系投信会社に勤務していた藤沢氏は、世の中にファンドの情報がまったく存在しないことに違和感を覚え、「これから投資信託の評価は絶対に必要になる」と確信したという。そうしてコツコツと貯めた自身の一千万円を元手に起業したが、いざ活動をはじめてみると「うちの投信を評価?とんでもない、そんなの営業妨害だ」といって投信会社から総スカンを食うことになる。投信の情報をもらうどころか、訪ねていっても会ってもらえないというありさまだ。ビジネスはまったく思惑通りにはいかず、スタートから厳しい状況だった。しかし、投信会社は運用している投信の基準価額を日本証券業協会に提出する義務があったので、それを協会で閲覧することはできた。毎月そこに通ってはノートに書き写すということを繰り返したそうだ。そうしているうちにマスコミがアイフィスの投資信託評価ビジネスを取り上げてくれるようになり、状況が一変した。これでやっていける、と思ったのもつかの間、大手企業が同業者として一気に参入してきたのだ。アイフィスは上場を目的にはしていなかったため、ベンチャーキャピタルからの出資の申し出は一切受けなかった。資本に限界を感じたこと、役割は果たした、ということで、藤沢氏は99年にアイフィスをスタンダード&プアーズ社に売却した。現在はシンクタンク・ソフィアバンク取締役を務めているが、その後の活躍はTVやシンポジウム、雑誌などで皆さんもよくご存知だろう。
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