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●リスクとは“思いもかけなかった損失”ではない
なぜ真壁氏は個人投資家の資産運用は、長期投資が有効、と思い至ったのか。その理由を聞いてみたら、このような答えが帰ってきた。
「それはね、リスクの考え方なんです」
リスクとはなにか。
まずは期待収益率から考えてみる。例えば、T社の株が過去10年間、毎年5%ずつ上がり続けてきた、とする。そうだとしたら普通なら来年も5%上がるだろう、と予測する。これが期待収益率。つまり過去の平均ということだと説明する。
そして、真壁氏は続ける。
「過去にT社の株は5%ずつ上がって来た。しかし、今年も同じように5%上昇するかどうかは、本当はやってみないとわからない。3%しか上昇しないかもしれないし、7%かもしれない。このように期待したものと違うものが発生すること。期待値から離れるという確率のこと。これがリスクです。」
難しいことではない。私たちは日常生活の中でもリスクを取る行動をしている。
真壁氏は著書「最強のファイナンス理論」(講談社現代新書)の中で説明する。
例えば、混雑した道を迂回して、比較的に交通量の少ない道を選ぶようなときだ。選んだ道が混雑していないだろうと予測を立てる一方で、一層混雑している可能性がある、と頭のどこかで考えている。これがリスクを取る行動だ、と。
そして、その考え方を資産運用にどのようにあてはめるか。
「株式の場合、その価格が大きく変動する性質があればあるほど、リスクが高いと言える。株価が大きく動く場合には、大きく儲かるかもしれないし、価格変動が小さい場合には、損も利益も少額になることが想定される――(中略)ただし間違えてはならないのはリスクはあくまで、予測あるいは期待値からの“ぶれ”を指すのであって、必ずしも“思いもかけなかった損失”だけを指すわけではない」
5%の価格変動リスク、と言われたら、予想よりも“プラスマイナス”5%分、利回りが振れることを意味している。つまり、期待した利回りより、5%余計に利益を出す可能性もあるし、逆に5%分だけ下がることもあるのだ。
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