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講師紹介


内田裕子(うちだゆうこ)

玉川大学で演劇を専攻。卒業後、大和証券に入社。トレーダーとして、エクイティマーケットの第一線で現場を経験。その後、同社の社内TV放送「大和サテライト」のキャスターに抜擢され、広報部へ異動。マーケット情報番組や経営者との対談番組等へ多く出演する。その後、大和インベスターリレーションズで企業IRのコンサルティングを行う。
2000年、財部誠一事務所へ移籍。経済ジャーナリストとしての活動を始める。現在は単行本、雑誌、メルマガ等に精力的に寄稿しながら、TV、ラジオ、講演会でも活躍中。

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  ■第30回
「運用野郎」の横顔:岡本和久 その2
 
 

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●投資信託がブームだが・・・
 今、投資信託がブームだ。
銀行や郵便局で、投資信託の販売が解禁されて以来、満期を迎えた預貯金がどんどん投資信託に姿を変えている。いや、変えさせられていると言ったほうが正確かもしれない。それもそのはず、銀行や郵便局は投資信託を販売することで、投資額の2〜3%の手数料を投信会社から受け取ることができる。仮に100万円の定期貯金をまるまる投資信託に乗り換えてもらえば、2〜3万円の手数料を手にすることになるからだ。
先日、郵便公社は1月の投信販売残高が6200億円になったと発表した。投信の販売手数料が仮に3%だとしたら、この一年ちょっとで200億円近い手数料収入があったということだ。
 これはかなりの額だ。
これまで銀行や郵便局は、お客さんにお金を預けてもらうため、金利はもちろん、ティッシュや食品包装用ラップや、貯金箱やキャラクターが付いているノベルティなどを渡さなければならなかった。しかし、投資信託の販売は、話がまったく逆だ。お客さんが手数料を払ってくれるのだから、銀行や郵便局にしてみればこれはコペルニクス的転回だっただろう。
 本来、お金を貸して金利で稼ぐのが銀行であったけれど、長引く低金利、借り手も減少傾向にある中で、新たな収益源を探さなければならない状況に追い込まれていた。そこで投資信託の販売解禁がおこった。まず98年12月に銀行窓口での販売が解禁になり、04年10月には郵便局でも販売が解禁された。そして02年以降は株式市場が上昇。一大投信ブームが巻き起こった。投信を販売する金融機関にとってはまさに濡れ手に粟。日本各地で投資信託セミナーが開かれ、どの会場も満席という驚くべき状況になっている。そうしたなか、金融機関にとって投信はいまや“金のなる木”。大きな収益の柱に育てようと、金融機関が投信販売に躍起になってきた。一方、金融機関で投信投資を買う人たちの多くは証券の素人ばかり。「銀行で売っているのだから安心」というとんでもない思い込みをしている人たちが少なくない。
 私の周辺におどろくような話がある。知人の母親の話だが、地銀に預けていた定期預金がいつの間にか投信に変わっていたという。驚いた知人は母親に事情をたずねてみると、地銀の営業マンから強く勧められたから買ってしまったという話であった。投信の説明は受けたのかと重ねて聞くと、一通り説明を受けたがよくわからず、とにかく安全だから、と言っていたという。もちろん、本人はいまでも自分が買った投信がどんなものであるのかまったく理解していない。
 投信ブームのなかで、これと似たような状況があちこちで起こっていることは想像に難くない。ある意味、手数料欲しさに投信を売りたくてしかたがない金融機関によって作り出された投信ブームといっても言い過ぎではないかもしれない。
 投資信託はいろいろなものがある。毎月分配型の外債ファンドや、インデックスファンドなどはそれほど大きなリスクはないだろうが、BRICsなど経済基盤がまだ不安定な新興国のマーケットに投資するファンドなどは、短期間で見たらリスクも高い。人の数だけ資産の運用方法があるのだから、金融機関はお客さんの特性や資産内容を聞きながら、その人にあった金融商品を提供しなければいけないはずだが、現状はそうではない。ノルマが課せられた、販売手数料の高い投信から勧められるという、理想の姿とは程遠いものになっている。


 

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