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講師紹介


内田裕子(うちだゆうこ)

玉川大学で演劇を専攻。卒業後、大和証券に入社。トレーダーとして、エクイティマーケットの第一線で現場を経験。その後、同社の社内TV放送「大和サテライト」のキャスターに抜擢され、広報部へ異動。マーケット情報番組や経営者との対談番組等へ多く出演する。その後、大和インベスターリレーションズで企業IRのコンサルティングを行う。
2000年、財部誠一事務所へ移籍。経済ジャーナリストとしての活動を始める。現在は単行本、雑誌、メルマガ等に精力的に寄稿しながら、TV、ラジオ、講演会でも活躍中。

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  ■第31回
米国・デトロイト訪問記
 
 
(5/7)

●世界経済は不安定
 私はさきほど、アメリカ経済は感動するほど懐が深いと述べたが、そのアメリカ経済も少し息切れしてきたのではないか、と思われるような出来事が今回の取材旅行中に起こった。ご存知のように、中国・上海のマーケットが暴落したのをきっかけに、世界のマーケットが順繰りに急落し、その過程で米国マーケットも大きく調整したのである。
 それにしてもなぜ2月27日だったのか。
 そして、なぜ上海市場からだったのか。
今回の世界同時株安には前フリがあった、と知人の大手証券会社の市場関係者は語る。
26日にグリーンスパン前FRB議長が、「今年終盤に米経済が景気後退期に入る可能性がある」、というコメントを発表したところから今回の世界同時株安が始まった、という見方だ。
この発言時、中国ではちょうど旧正月開け後のタイミングだった。
 3月5日より開催される全国人民代表大会を前に、キャピタルゲイン課税の実施、住宅ローン借入れを原資とする株式投資への規制、違法な株取引の取締りの強化、といった市場の規制強化策が導入されるのでは、という憶測が市場関係者の間に広まったということだ。
 昨年後半からの急激な株価上昇を受け、過熱感があった上海市場だったが、グリーンスパン氏のコメントにより弱気へと傾いていたヘッジファンドなどが、この規制強化の憶測に敏感に反応し、どこのファンドのポジション解消が引き金になったのかは分からないものの、27日に上海市場から一斉に逃げ出した。それに引きずられるように、個人投資家たちも一斉に売りに回ったのだ。また、同日米国にて発表された1月米耐久財受注の数字が大幅に減少したことも、その後の下げを加速させたのだろう。
 今回の中国・上海株の暴落は、世界同時株安の直接的な原因ではないものの、大きなきっかけだった、と言えるだろう。その後見られる円キャリー・トレードの解消を背景とする急激な円高の進行や、あるいは金価格の下落など、世界を席巻した過剰流動性の急激な調整は、27日の中国から具現化したことは確かである。


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