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講師紹介


内田裕子(うちだゆうこ)

玉川大学で演劇を専攻。卒業後、大和証券に入社。トレーダーとして、エクイティマーケットの第一線で現場を経験。その後、同社の社内TV放送「大和サテライト」のキャスターに抜擢され、広報部へ異動。マーケット情報番組や経営者との対談番組等へ多く出演する。その後、大和インベスターリレーションズで企業IRのコンサルティングを行う。
2000年、財部誠一事務所へ移籍。経済ジャーナリストとしての活動を始める。現在は単行本、雑誌、メルマガ等に精力的に寄稿しながら、TV、ラジオ、講演会でも活躍中。

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  ■第33回
ブラジルレポート その2-サンパウロ編
 
 
(4/4)

 ブラジル政府はいったい何をやっているのか、と思うが、これがまったく打つ手がないというのが現状だ。犯罪の温床となっているファベーラを撤去するどころか、反対にここに住んでいてもらったほうが管理しやすいという判断で放置されたままだ。そして諸悪の根源は「麻薬」なのだが、麻薬の取り締まりが強化されたコロンビアから流れてきたマフィアたちが、今度はブラジルを拠点にし始めたこともあり、犯罪数は増える一方となり、事件は凶悪化している。
 もちろん、ファベーラの住人すべてが、麻薬の売買に関与しているわけではない。真面目な日雇い労働者もいる。普通の貧しい家族が電気も水道もタダだから、と住んでいるケースもあるという。すべての子供が学校に通っていないというわけでもないようだ。ファベーラによっては「コミュニティ組織」があり、行政に陳情してインフラ整備を実現したり、行政から補助金を引き出して保育園を運営したり、NGOなどの協力を得て子どもたちの教育に取り組んだり、前向きに状況を改善しようとしているものもあるようだ。
ファベーラには決して一言では言いあらわせない、ブラジルの歴史があり、現実があり、多様な顔がある。

 今回の取材中、現地のコーディネーターの方には散々注意をされた。車で移動するときは、車の窓のカーテンを閉める。パソコンのノートブックなどは絶対に見せない。街で歩いているときはカバンを前に抱える。人に話しかけられても答えない。
「とにかく、神経が休まるときがない」
それが私のサンパウロの感想だ。本当に疲れる街だ。これまでさまざまな国の都市を歩いたが、最も疲れる街、それがサンパウロと言い切れる。
 ブラジルの最大の課題は、まさしく治安の問題だ。街をおちおち歩いてもいられないような都市は三流だ。豊かな資源や大地があるポテンシャルの高いブラジルが、本格的な経済成長に乗っていくことへの阻害要因にならないように、ブラジル政府は国の顔であるサンパウロ、リオデジャネイロの治安を早急に改善すべきだろう。

 

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