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そのブラジルの危機を、ブラジルの歴史上最も優秀と言われた、カルドーゾ大統領の大胆な決断が救った。IMFが融資の条件として持ち出してきたブラジル中央銀行総裁の人事を受け入れたのだ。投機家ジョージ・ソロスとともに、タイをはじめ国際通貨危機を巻き起こした張本人である、クォンタム・ファンドのマネージャーでブラジル人であるアルミニオ・フラガをブラジルの中央銀行の総裁に招いたのだ。毒を制すには毒を、ということだ。
ブラジル政府が彼にどれだけのギャランティを支払ったのかは定かではないが、方法の是非はどうあれ、見事に結果はでた。その後カルドーゾ政権は通貨を「クルゼーロ」から「レアル」と換え、緊縮財政をとり、いっきにインフレを沈静化させることに成功したのだった。長く続いたブラジル経済の混乱は収束し、通貨はようやく安定してきた。
金利はいまだ高水準にあるが、個人向けのローンも利用者が増え始めてきた。また、それぞれの州による思い切った税金の恩典措置、BRICsとして米国投資銀行の「経済成長」のお墨付きももらい、外国企業の投資も増加してきた。また、鉄鉱石を始め、地下資源に恵まれたこの国にとって、世界の資源需要の拡大もかなりの追い風となっている。
少しづつ落ち着きを取り戻してきたブラジル経済は、今ようやくスタートを切ることができたという状況であり、 BRICsとして並べるなら、ブラジルはまったくの周回遅れ、というポジションではある。
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