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講師紹介


内田裕子(うちだゆうこ)

玉川大学で演劇を専攻。卒業後、大和証券に入社。トレーダーとして、エクイティマーケットの第一線で現場を経験。その後、同社の社内TV放送「大和サテライト」のキャスターに抜擢され、広報部へ異動。マーケット情報番組や経営者との対談番組等へ多く出演する。その後、大和インベスターリレーションズで企業IRのコンサルティングを行う。
2000年、財部誠一事務所へ移籍。経済ジャーナリストとしての活動を始める。現在は単行本、雑誌、メルマガ等に精力的に寄稿しながら、TV、ラジオ、講演会でも活躍中。

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  ■第34回
ブラジルレポート その3
 
 
(3/10)

 そのブラジル経済の中心地、サンパウロ。
経済の低迷が続いてきたこともあって、街の風景は70年代から止まったままだ。 ユニーク且つ、レトロなビルを見ることを好む人がいれば、今のうちにサンパウロの町並みを見ておくことをお勧めする。もちろんヨーロッパにみられるような歴史的建造物は皆無。最近東京にぞくぞくと生まれてきているガラスをふんだんに使った最先端の建物もない。
まったく中途半端な古めかしさを持つ建物が街全体を覆っているのだ。そのさびれ方にはまさに敗北的なにおいがあり、それらが放置されたままの景色は、住人の投げやりな感情を見事に伝えている。
 建物のデザインは多様性を持ちながらも、よく見ると建築方法は同じであることがわかる。
そして建物のくたびれ方、窓の壊れ方を見ても、同質同量の時の流れを感じる。街中の壁に書きなぐられたアートとも見えなくもない悪戯書きもとても興味深い。
 このように、サンパウロの街には、ブラジル経済が70年代に急速に経済発展を遂げた当時の勢いと、その後の長期に渡ったどうにもならない低迷の様子が見事に刻まれている。
とてもわかりやすく、それが返って親しみを感じる。

 しかし、ブラジルの経済成長がこのまま進めば、ここも上海やモスクワなどほかの新興国の都市と同じように不動産投資が進み、寿命をとうに過ぎているこれらの建物はことごとく取り壊されるだろう。 今はまだ、その気配を感じとることはできなかったが、世界が経済成長を続けるなら、次回、数年後に訪れる時には、ピカピカのビル街がサンパウロに生まれているだろう。見納めとしてシャッターを切っておいた。

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