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この国に来る前に「ブラジルは最後の楽園だ」と多くの人に言われた。ブラジルに魅せられて移住してしまった日本人駐在員の話も聞いた。帰化する人も少なくないということだった。こういう話はインド、ロシア、中国では聞かなかった。
同時に「とにかく冗談では済まされない治安の悪さだから気をつけて」とも言われた。持ち物、身なりはできるだけ質素にしろと、厳命された。スーツに、パンプスなど気取った格好にブランドのバックなど下げていようものなら、その場で即、誘拐、金品を奪われ射殺という危険もある、と脅かされた。
相棒のNikon D200を持っていくか、やめるかを真剣に考えた。そんな緊張を強いられる国のどこが楽園なのだろう、と解せないまま、ジーンズにTシャツ、サンダルとリュックと、帽子を深くかぶり、企業取材とは思えないスタイルでブラジルに乗り込んだ。
街の様子を見たり、現地駐在員、現地コーディネーターのマリオ・オバラ氏の話を聞きながら、なぜに、ブラジルが最後の楽園なのか、ずっと考えていたが、ひとつの答えにいきついた。それはこの国の持つわかりやすさ、と繋がっているのではないか、と。
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