(3/4)
このように書くと高級店しかないのではと思われるかもしれない。たしかにハリー・ウィンストンのような超高級宝飾店、イタリアやフランスのブランド店、高級レストランが多く、全体的に価格が安いとは言いがたい。しかし、その一方で、無印良品や、ハヤシライス、ハンバーガーショップなど庶民的な店舗も入っていて、より幅広い生活スタイルに答えようとしているのがわかる。ドラッグストアやスーパーマーケットもある。コンセプトの中の「上質」という部分と「日常」という、聞きようによっては矛盾してしまう二つの要素を、いかにハイセンスな空間の中に違和感なく取り込むか、ディベロッパーが思案しただろう形跡が見られるのもここでは面白い。
「行ってみたけど、買えるものがない」
「行ってみたけど、食べるものがない」
新しい商業施設にありがちな感想だが、東京ミッドタウンのガレリアは世代や性別を超えて訪れる人、誰もが楽しめるようにずいぶん工夫されている。
競合他施設として森ビルの六本木ヒルズがあるが、さまざまな部分でミッドタウンと違っている。六本木ヒルズは店舗のならび方が不規則でわかりにくい。これは、わざと客を迷わせて店舗を発見していく喜びを感じて欲しいというコンセプトであった。わかりやすい=あきられる、とならないようにと考え抜かれたものだ。しかし、実際ふたを開けてみると、どこになにがあるのかわからないというストレスのほうが大きかったようで、そのコンセプトを褒め称える声は聞いたことがない。六本木ヒルズはどこにも無駄な空間はなく、買い物をしていてちょっと休憩をする空間を探すのは困難だ。バブル絶頂の頃にはじまったプロジェクトのため、開発に大変なコストが掛かってしまったことが、ここの空間を少々息苦しいものにしているのかもしれない。有料でもいいと思って座る場所を求めるが、どこも行列になっていて余計に疲れてしまう。並ぶ店舗はそれぞれ高級感をだしているが、優雅な気持ちで買い物ができるかというと、必ずしもそうではない。
1・2・3・4/5・6・7・8
バックナンバーへ
|