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講師紹介


内田裕子(うちだゆうこ)

玉川大学で演劇を専攻。卒業後、大和証券に入社。トレーダーとして、エクイティマーケットの第一線で現場を経験。その後、同社の社内TV放送「大和サテライト」のキャスターに抜擢され、広報部へ異動。マーケット情報番組や経営者との対談番組等へ多く出演する。その後、大和インベスターリレーションズで企業IRのコンサルティングを行う。
2000年、財部誠一事務所へ移籍。経済ジャーナリストとしての活動を始める。現在は単行本、雑誌、メルマガ等に精力的に寄稿しながら、TV、ラジオ、講演会でも活躍中。

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  ■第39回
ロシア・サハリン2の真相 その2
 
 

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 じつはこの時点ではマグダーモット・三井物産連合はまだ「鉱業権」を手に入れていなかった。鉱業権とは一定の土地(鉱区)で資源を採掘して、それを自分のものにする権利のことだ。これがなければ、プロジェクトは先には進まない。
 1990年、ついにこの鉱業権の取得がみえてきた。そのタイミングで、実際に資源採掘を行うノウハウをもった米国マラソン社がプロジェクトに参加することがきまった。これでプロジェクトの参加企業は、海中に建設されるプラットフォームを担当するマクダーモット社、ファイナンスを担当する三井物産、採掘オペレーションを担当するマラソン社の3社となった。
さあ、これからだと思った矢先に、なんとソ連が崩壊してしまった。
 体制が変わると、ロシアはこれまでの契約方針の変更し、このプロジェクトを国際入札制度に切り替えると言い出したのだ。
ここから、このプロジェクトの迷走が始まった。
 92年にシェル、三菱商事が加わり、94年にはサハリン2参加企業の統一会社「サハリン・エナジー・インベストメント社」が設立された。出資比率はマラソン30%、マグダーモット20%、三井物産20%、シェル20%、三菱商事10%であった。そして96年、サハリンエナジー社、ロシア連邦政府、サハリン州行政府の三者間で、ワシントンにて正式に生産分与契約に調印がされたのだった。
 しかし、翌年の97年、マグダーモット社が自社持分20%をシェルに1億1,000万ドルで売却しサハリン2から撤退してしまった。撤退の理由は、サハリンエナジー社がマグダーモット社の耐氷型プラットフォームを採用しないことを決めたため、参加しつづける意味を失ったからだという。ちなみにプラットフォームは石川島播磨重工業の移動式人工島原油掘削装置「モリクパック」が採用され、LNGプラントは千代田化工建設が受注している。
 さらに 2000年にはマラソン社が30%の持分を全てシェルに譲渡し撤退した。経営状況が厳しくなっていたマラソン社は、これ以上サハリン2のような見通しの立たないプロジェクトに投資することはできないというのが理由だった。その後、サハリンエナジー社内で資本の調整が行なわれ、最終的には出資比率はシェルが55%、三井物産は25%、三菱商事は20%に落ち着いた。

写真撮影:内田裕子

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