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講師紹介


内田裕子(うちだゆうこ)

玉川大学で演劇を専攻。卒業後、大和証券に入社。トレーダーとして、エクイティマーケットの第一線で現場を経験。その後、同社の社内TV放送「大和サテライト」のキャスターに抜擢され、広報部へ異動。マーケット情報番組や経営者との対談番組等へ多く出演する。その後、大和インベスターリレーションズで企業IRのコンサルティングを行う。
2000年、財部誠一事務所へ移籍。経済ジャーナリストとしての活動を始める。現在は単行本、雑誌、メルマガ等に精力的に寄稿しながら、TV、ラジオ、講演会でも活躍中。

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  ■第39回
ロシア・サハリン2の真相 その2
 
 
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それからは工事も順調に進み、四半世紀という長きにわたって開発されてきたサハリン2プロジェクトもようやく完成の見通しが立ってきた。2007年から天然ガスを供給する企業との契約も済ませ、あとわずかで稼動というところまできた。
ところがここでロシア政府が再び騒ぎ始めた。
「サハリン2の開発による環境破壊をこれ以上見過ごすことはできない。場合によっては最大500億ドル損害賠償請求をする」と2006年9月、一方的に工事停止を命令してきたのだ。これには三井物産も三菱商事も仰天した。サハリン2プロジェクトにはこれまで1兆2千億円の投資が行なわれており、日本企業による資源開発費としては最大規模となっていた。海上施設、パイプライン、LNGプラントと施設がほぼ完成したこのタイミングでプロジェクトがストップされ、資金が回収されないなどということは決してあってはならない。さらにサハリンエナジー社は翌年から4企業。翌々年にはさらに2社に対しての天然ガス供給契約を既に交わしてしまっていた。この契約が行使できなければ莫大な違約金を支払わなければならない。他国から天然ガスを調達し供給するとしても大変なコストがかかる。工事の停止が長期に及べば間違いなく契約を行使できない。要するにサハリンエナジー社はロシア政府の要求の全面的に呑むほか選択肢がない状況に追い込まれたのである。サハリンエナジーからするととんでもないタイミング、ロシア側からすると絶妙なタイミングである。
 ビジネスの常識で考えれば契約をまったく無視しているロシアに対し憤りを感じるが、実はロシア側にも言い分がある。このサハリン2の契約はエリツィン時代、政情不安定なロシア初期時代に交わされたもので、ロシア側にまったくメリットがない条件になっていた。ロシアの資源を100%外国の資本で開発するなど、おかしいじゃないか、というのがプーチン政権の言い分なのだ。実際、ロシアにおいて100%外国資本で行われている資源開発案件はサハリン2以外には存在していなかった。

 

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