(11/12)
「金は、延べ棒みたいなものでなく、普通に持って移動できるくらいのもの。動乱時にでかい金を持って歩くのはかえって危険です。だから、他人には気づかれずに持ち運び出来る程度の金。それを箱の中に入れておきたいと思いますね」
じつに愛情がこもっている回答だ。たしかに、戦争で企業が爆撃され、経営陣すべてを失うとか、製造現場が跡形もなく消滅するということは起こりうる。しかし、金が無価値になるということは考えにくい。金は文明が始まったときから価値あるものとして存在し続けているのだ。その有効性は長い歴史が証明している。
続いて、定番の質問第二弾、「日本経済を象徴している風景」を聞いてみた。
「僕が思い浮かべたのは、掃除している人たちの風景です。近所で家の周りを掃除しているおばさんとかいますよね。あれです」
自分の家の周りだけきれいにしているのではなくて、その一帯をみんなできれいにしている。たしかのあの風景は日本固有のものだ。しかし、なぜそれが日本経済を象徴しているというのか。
「アメリカの友人が来るたびに日本はすごくきれいだと驚きます。日本人の清潔感というのは子供のころから育まれているものなのでしょう。近所の人たちが掃除をしてくれている風景を見ながら学校に通っていた。こういう精神が日本経済に大きな影響をあたえていると思うのです」
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