(2/10)
今、財界で金融界の人材育成のために教育機関をつくろうという話が持ち上がっているということらしいが、それはまったく筋違いだと平山氏はいう。
「金融の現場の人間は優秀です。MBAを持っている人も大勢います。そういう点でいえばアメリカ人と比べてなんらレベルの差はありません。大きくレベルが違うのは金融ビジネス戦略なのです」
日本の金融機関にはニューヨークやロンドンで働いた経験を持つ人が大勢いる。また、外資系金融に転職した人間を見れば、優秀な人材がごろごろしている。そうやって眺めてみれば、平山氏の言うとおり優秀な人材はいる。問題はその人材を使いこなすビジネス戦略が実施されていないというのだ。人材育成の機関などはほとんど必要ないと、平山氏はいう。
そういう話を聞いていると、やはり、マネージメントに問題があるように感じる。
仮に経営というものを、取るべきリスク、取ってはいけないリスク、を自らで的確に判断し、組織を動かし導いて行くもとのと定義するなら、たしかに今の日本の金融にはみあたらない。
なぜ、金融は進化していないのか。
これには理由があるはずだ。
「普通の製造業であれば、マーケティング戦略を非常に重視します。しかし、金融の場合は、真の顧客のニーズをくみ取るという発想が希薄なのではないでしょうか」と話す。
あと、根深い問題に金融業界の規制の厳しさがある。
監督官庁に縛られ、金融機関が戦略を持つことを否定されてきたという歴史も見逃せない。それが強くなればなるほど、イノベーションは起こらない。そういった意味では、進化したくてもできない環境に、金融業界はおかれているとも言える。
最近の銀行の投信販売を見ていると、毎月ファンドを換えて顧客に営業をしている。営業マンにはノルマが与えられ、誰でも彼でも投信を売りつけ手数料を稼いでいる。いつか来た道、というムードだ。変わったのは、昔、証券会社がやっていたことを今は銀行がやっているというところだけだ。
これでいいのだろうか。
これが貯蓄から投資への理想的な形なのだろうか。
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