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なるほど、そう考えると、ヒューマンキャピタルは収益率が高く、確かなリターンを期待できるということが分かってくる。
つまり、一番に考えるべき投資はヒューマンキャピタルへの投資なのだ。
「若い頃はポートフォリオの大半をヒューマンキャピタルが占めてしまいます。でも、努力しだいで、そこに付いてくるクーポンを17%から20%に上げることは難しいことではありません。ですから、若いうちはまず自己投資をするのが一番効率がいいのです」
若いうちは自分の仕事に打ち込むこと。それが一番だと菱川氏は言う。
では、仕事に打ち込んだ後はどうすればいいのか。
「ヒューマンキャピタルの償還が近づくほど、資産は貯まってきているはず。その頃になると、自己投資をしても回収する時間が短くなってくる。そこで、リスクをとった投資を考えればいいのです。長期投資はこのように考えていくべきだと思います」
こうした資産運用に対する考え方の変化は、アメリカでは401kが始まったころから起こってきたという。それまで年金運用は会社がやってくれるもので、個人は難しいことを考える必要はなかった。しかし、これから老後の資金はすべて自分で考えなくてはならなくなった。ましてや、自分自身がキャピタルになるのだったら、なおさらオリジナルのポートフォリオを作らなければならなくなった。
「これまでのライフプランの考え方はどれも漠然としたものでしたが、最近はずいぶん理論化されてきています」と菱川氏。
「例えば、住宅を買うのも3000万円キャッシュで払うのか、1000万円だけローンを組むのか、あるいは買わずに賃貸にするのか。自分にあった投資行動を考えることが、今後は重要になってくるわけです」
また、これからは職業によってもポートフォリオの作り方はまったく変わってくるという。
「公務員は国債と同じような特性です。リターンは特に高くはないけれど、倒産はしませんから確実に償還になります。そうするとローンも組みやすい。反対にコンピューターソフトなどの振興会社は人材の流動性が高く、長期で同じ会社に勤務する人は少ない。そういう職種の人は、家は買うより賃貸にするほうが安心感、機動性があるかもしれません。このように柔軟に考え方を変えながら、自分にあったポートフォリオを作っていくことが大切なのだと思います」
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