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●短期で稼いだ金は大抵消費に回る
長期投資をする際に、心が惑わされるものがあるとしたら、それは、短期で株を売買して大儲けした、などという噂話だろう。そういう雑音が耳に入ると、つい短期で売買するのも悪くないのかと、長期投資への信念がゆらぎそうになる。
博打目的でやっている人が儲かったり、なけなしのお金で真面目に資産形成をしている人が損をしたりする。だから、株式投資はわからなくなる。
「たしかに株が倍になったという話はよく聞きます。そういう株も結構あります。でも、小遣い稼ぎで5万、10万円ポンと儲かっても、そういうのはだいたい消費に回ってしまうのです」
消費に回る投資と資産形成に回る投資。
これはまったく違うものだ、と菱川氏は言う。
「パチンコをやる感覚で株をやると儲けはたいてい消費に回ります。一方、資産を増やす目的で投資をすると、儲かった分は再投資に回して、決して消費には安易に回さないものです。デイトレードで儲かりましたという人は儲けを旅行などにいってすべて使ってしまう傾向があるようですが、まとまった資金を長期で運用して2倍になっても、儲かった分を全て使ってしまうかというと、おそらく使わずに再投資するケースが多いでしょう」
株式投資といっても、どういう目的でやるかでまったく違ったものになるという。
私たちが知りたいのは、個人投資家が安心できる長期投資だ。それにはどうしたらよいのか、菱川氏に尋ねた。
「やはり株式でしょう。持ち家以外に不動産に投資できるほど余裕のある個人投資家はそんなにいないでしょうし、債券は基本的にインフレに弱い。短期で考えれば債券もいいかもしれませんが、将来的にはインフレになると債券は値下がりするでしょうから、長期の債券よりは預金のほうがいいかもしれません。長期的に見るとやはり株式のリターンが高いですね」
株式の優位性を語りながら、菱川氏は微笑む。
「そうじゃなければ資本主義がなりたちませんからね」
債券を発行して利子を払いながら会社が成り立つわけだから、企業の収益率ないし株式のリターンのほうが長期的に低かったら会社が潰れてしまう。だから、資本主義を理解すれば、ただ銀行にお金を預けているだけということが意味がないということが分かってくる。
「銀行は1%の金利を払って、住宅ローンを3%で貸す。もしくは株式に投資したり、ベンチャー企業に投資したり。私達に支払う金利よりも、高いところにお金を回して儲けているわけです。だから私達も預金で持っているのはあまり意味がない。そう考えていくと株式に投資するのが一番いいと思います」
やはり、資本主義の社会に生きているからには、個人投資家の資産形成には、株式投資を中心にすえるのが良いということなのだろう。
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